ツアーの仕組み
ツアーの仕組みを知れば、テニスはもっとおもしろくなる。
そのために、これだけは知っておきたい基本的な知識を解説。
ツアーの仕組みと大会のグレード
テニストーナメントを代表するプロのツアー大会は、男子はATP※1、女子はWTA※2が管理、運営しています。その仕組みは下図で示すように、ITF※3が管轄する4大大会を頂点にピラミッドのような構造になっており、プロ選手たちは、よりグレードの高い大会をめざし、世界各国で開催されるツアー公式戦を転戦します。
また男子も女子もツアー公式戦の登竜門的なツアー下部大会があり、さらに最下層にはITFが運営する数多くの小規模大会が世界中で開催。すべてのプロ選手は例外なく、ここからスタートし、ポイントを積み重ねて、ツアー下部大会、そして、より上位のツアー大会を目指すことになります。
※1: ATP(Association of Tennis Professionals)=男子プロ選手協会
※2: WTA(Women’s Tennis Association)=女子テニス協会
※3: ITF(International Tennis Federation)=国際テニス連盟
ATPツアーの仕組み(男子)
WTAツアーの仕組み(女子)
世界ランキングの算出方法と獲得ポイント
ツアー大会で獲得できるポイントは、大会のグレードが高いほど、より多くのポイントを獲得することができます。世界ランキング(シングルス)の算出方法は、過去52週間(約1年)に出場した試合において、獲得ポイントが多い試合の中から、上位18大会※(女子は16大会)のポイントの合計で世界ランキングを決定。すべての選手のランキングはATPとWTAの公式サイトで毎週更新されます。
また男子も女子も世界ランキングとは別に、年間獲得ポイントによるランキングシステムがあり、年度末におこなわれるツアー最終戦に、男子も女子もランキング上位8人が出場できる仕組みになっています。
※「ATPカップ(国別対抗戦)」と「ATPファイナルズ」の出場選手は、特例として、上位20大会まで獲得ポイントの加算が可能。
各大会で優勝者が獲得できるポイント(男子の場合)
- 4大大会・・・2000ポイント
- ファイナルズ・・・1500ポイント(無敗で優勝した場合)
- マスターズ1000・・・1000ポイント
- ワールドツアー500・・・500ポイント
- ワールドツアー250・・・250ポイント
- チャレンジャーツアー・・・80~125ポイント
プロ選手の誰もがトップ100をめざす理由
プロ選手の世界ランキングは、公認大会に出場し、その成績に応じて得られたポイントの合計によって決定します。それぞれの大会はランキングの高い選手から順にエントリーを受け付けるため、当然ランキングの低い選手は出場できない場合や予選から出場しなければならないケースもあります。
たとえば多くのプロ選手がめざすトップ100という目標。これは単なる心理的な目標ではなく、概ね100位前後であれば予選を経ずに4大大会本戦に出場することができ、プロ選手が世界に飛躍するために何としてもクリアしたい重要な壁です。
さらに全ての大会の本選出場ができる50位以内に登りつめることができれば、トップ10プレーヤーたちの背中越しに、遥か遠く、その頂上は見えてきます。
本戦に出場できるボーダーラインの目安(男子の場合)
- 4大大会・・・110位ぐらいまで
- マスターズ1000・・・50位ぐらいまで
- ワールドツアー500・・・50位ぐらいまで
- ワールドツアー250・・・120位ぐらいまで
- チャレンジャー大会・・・280位ぐらいまで