今回は、7月に開催された「全英オープン」の試合会場で行なったアーニー・エルス選手の独占インタビューをお届け! 全英オープン、愛用するゼクシオとスリクソンのクラブ、まもなくデビューを迎えるシニアツアーなど、話題は多岐に渡りました。
D-cafe:まず、今週の「全英オープン」についてお聞きします。エルス選手はこれまで2度(2002年、2012年)優勝を飾っていますが、あなたにとって全英オープンはどんな大会ですか?
アーニー・エルス選手(以下、エルス):僕は今年で50歳になるけれど、メジャーの中で、まだいいプレーができて優勝するチャンスがあるのが、この全英オープンだと思っているよ。なぜなら、いいプレーをするには知識と経験が必要だから。地面のボールをキッチリ打って、時には転がして、そこまでパワーに頼らなくてもいい。コースが与えてくれる情報を感じて、それをフルに利用してプレーすればいいからね。
それに、このロイヤル・ポートラッシュ・ゴルフ・クラブは、全英オープンの会場としてはまったく新しいリンクスコースで、ほとんどの選手にとって初めてのコースになるから、どうなるか楽しみだよ。 誰にでも勝つチャンスがあると思う。 これまでも全英では多くの選手が非常にいいプレーを見せてきたけれど、今回は僕もいいプレーができる大きなチャンスだと思うよ。
D-cafe:ロイヤル・ポートラッシュ・ゴルフ・クラブでの練習ラウンドはどれくらいしているのですか?
エルス:日曜日に18ホールをプレーして、昨日(月曜日)も18ホール回ったよ。とにかくコースに慣れないといけないから、今日(火曜日)もこれから何ホールか回る予定。天気予報では第1ラウンドの木曜から風が吹くようだし、明日も少し風が出て、しかもいろいろな方向から吹くから、明日も何ホールか回るつもりだよ。ただ、本番までにあまり疲れたくはないけどね(笑)。
D-cafe:あなたは去年からダンロップの契約プロになり、ゼクシオのグローバルアンバサダーも務めていらっしゃいます。実際に「ゼクシオ テン」ドライバーも使っているそうですが、使ってみての感想を聞かせてください。
エルス:ブリリアント(最高)だよ。ミート率が信じられないくらいいい。このところずっと背中を痛めていたので、フルスイングはしていなかったけれど、それでもしっかり振れた時は、いちばん飛んでいた頃と同じくらいの距離が出ているよ。50歳にして300ヤードだよ(笑)。とにかく素晴らしいドライバーだと思う。
D-cafe:構えた時のヘッドの見え方はどうですか?
エルス:とてもいいよ。ヘッドはクラシックな感じで、大きすぎず、フェースの見え方も非常にいい。 ヘッドの座りもいいから、アドレスした時にいつも安心できる。そして、ロフト角は少なめに調整してもらっているのだけれど、それが僕のボールスピードにマッチして、打ち出し角がちょうどいいんだ。しっかり上がって、理想的な弾道で飛んでくれる。ゼクシオは性能も見た目も素晴らしいクラブだよ。
D-cafe:そしてアイアンはスリクソンを愛用されているそうですね。
エルス:去年から、スリクソンのアイアンとクリーブランドのウエッジのセットを使っているけれど、どれもブリリアントだと思う。まず、「Z785アイアン」は見た目がとても気に入っていて 、クラシックな形状で、グースがきつ過ぎず、ストレートなリーディングエッジが気に入っている。とてもいい製品だよ。そして#2~#5の4本は「スリクソン Z U85 ユーティリティ」を使っていて、これもすごくいい。ゼクシオのウッドと同じようにミート率が高いので、ロングアイアンでも狙った通りの飛距離がかんたんに打てるんだ。
D-cafe:先ほどのお話にもありましたが、もうすぐ50歳の誕生日を迎えられますね。秋以降のプランを教えてもらえますか?
エルス:10月に50歳になるけれど、その時点ではシーズンはほとんど終わっているから、チャンピオンズツアー(米シニアツアー)には、来年1月にハワイで開催される「三菱電機選手権」から出場する予定だよ。その試合の前に、PGAツアーの 「ソニー・オープン・イン・ハワイ」にも出るつもりだから、 2試合続けてハワイの試合に出る予定で、今から本当に楽しみにしているよ。
来シーズンはPGAツアーにも何試合か出る予定だけれど、メインはシニアツアーになる。レギュラーツアーではいい成績が残せないこともあったけれど、シニアツアーでは、昔からずっと一緒に戦ってきた仲間を相手にもう一度ゴルフと競技を楽しみたいね。
D-cafe:その前に、ご自身が世界選抜チームのキャプテンを務める米国選抜チームとの対抗戦「ザ・プレジデンツ・カップ」も控えていますね。
エルス:そう、今年はいろいろあるんだ(笑)。今は12月の本番に向けてしっかり準備できるよう、キャプテンとして頑張っているよ。僕のチームのメンバーはみんなとても若くて、彼らの士気を上げていかないといけないけれど、そのための準備もしている。全力で集中していくよ。
D-cafe:今日はありがとうございました。今週の「全英オープン」と今後の活躍を楽しみにしています。
エルス:こちらこそありがとう。いつか日本で会おう!
エルス選手は、今年の全英オープンの2日目に2アンダー「69」をマーク。全英オープンでは自身通算53ラウンド目のアンダーパーで、これは1963年以降では歴代3位となる偉大な記録です。これにより25位タイで予選を通過すると、最終順位で32位タイと健闘を見せたエルス選手。これからも、彼のプレーから目が離せません。
《Profile》アーニー・エルス Ernie Els
●1969年南アフリカ・ヨハネスブルグ生まれ。9歳でゴルフを始め、20歳でプロ転向。91年地元南アフリカでツアー初優勝。93年「ダンロップフェニックス」で優勝すると、翌94年の「全米オープン」でメジャー初勝利。「全米オープン」「全英オープン」(各2勝)をはじめ現在まで世界のツアーで計66勝。2011年世界ゴルフ殿堂入り。身長191センチ、体重95キロ。