みなさん、こんにちは。青木 瀬令奈です。今シーズンもどうぞよろしくお願いいたします。ご存じのように、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、今シーズンの国内女子ツアーは開幕が遅れています。今年、私はプレーヤーズ委員長という重要な仕事をやらせていただくことになったのですが、開幕を楽しみにしているファンのみなさんにプレーをお見せできないのはすごく残念に思いますし、選手の代表として申し訳ない気持ちもあります。そんなわけで、今年のシーズンオフはいつになく長くなってしまいましたが、私自身は初めて経験したことがいくつかあります。
まず、生まれて初めてスキーに挑戦しました。私は群馬県に生まれ育ちながら、ケガをしてゴルフができなくなるのが怖くてスキーをやってきませんでしたが、1月にスポンサーである時計メーカーさんのイベントが北海道・旭川のスキー場であり、ゲストとして参加することになりました。そこで出番の前に2時間ぐらい滑ってみたんです。転んだらいけないと思って一生懸命踏ん張ったので、一度も転ばずに済みました(笑)。スピードが出て怖かったし、翌日にはスゴい筋肉痛になったけれど(笑)、楽しかったので機会があればまだトライしたいと思っています。
会場内のスクリーンには、私が(香妻)琴乃ちゃん、(新垣)比菜ちゃんと一緒に起用していただいたゼクシオのボールの広告も映し出されました。この写真は、ゴルフ場のレストランのテーブルの上のPOPとか、いろいろなところに使われていて、ゴルフショップには私たち3人の等身大の写真がそれぞれの面に入った3面タイプのものもあって、「それを見つけた時には私を正面にする」というブームが私の友だちの間で起きていました(笑)。
ちなみに私は『ゼクシオ エックス』のボールを打ったことがありますが、コーティング材に「スリクソンZ-STARシリーズ」と同じSeRM®が使われているせいか、インパクトの時にフェースにくっつく感覚がありました。すごくフィーリングがいいので、まだ打ったことのない方はぜひ一度試してみてください。
昨シーズンを振り返ってみると、とにかく“忍耐”の一年でした(苦笑)。前半戦は何をやってもうまくいかなくて、1打足りずに予選落ちということが6試合もありました。それに、「今週は最終日に伸ばせそう」という感触があっても、終わってみるとタイの選手がすごく多くて、なかなか賞金を加算できないこともありました。そのため、一時は「今年はシードはダメかも」と弱気になったこともあります。
でも、7月になって「サマンサタバサ・レディース」でようやくトップ10に入ることができて、翌週の「センチュリー21レディス」では優勝争いの末に2位タイになりました。「サマンサ~」では一昨年も優勝争いをしていいイメージがあったし、去年はあの試合がターニングポイントになって、その後の上昇のきっかけになった気がします。終わってみれば、シード権を獲ることができたし、賞金ランキングも前年までとくらべてそれほど変わりませんでした。それは、出場資格のあったメジャー3試合すべてでしっかり7ケタの賞金を加算することができたのが大きかったと思います。
それと、思えば去年は本当にいろいろな人に助けてもらったシーズンでした。ダンロップのスタッフのみなさんもそうですが、関係者や他の選手のコーチからヒントをたくさんもらったんです。それをつなぎ合わせたことで、苦しい時期を乗り越えることができたように思います。お世話になったみなさんには、この場を借りてお礼を言いたいと思います。どうもありがとうございました!
今年は1月5日に初打ちをして、1週間ほどグアムで合宿をした後、2度に分けて計10日間、初めて京都にあるジムにお邪魔してトレーニングをしました。
そこで分かったのは、私の肩甲骨の周りと股関節がとにかく硬いこと(苦笑)。これまで大西翔太コーチとめざしてきたスイングができなかったのもそのせいだと分かり、飛距離アップのために関節の可動域を広げるトレーニングをしました。それと、私は足首に捻挫グセがあるのですが、それが足を踏ん張れない原因になっているのも分かったので、理学療法士の先生のアドバイスを参考にしながら、大西コーチと一緒に、もっとボールにパワーが伝わるスイング作りに取り組んできました。それによって身体が正しい動きを覚えて、飛距離アップにつながればいいなと思います。
クラブに関しては改めてお話ししたいと思いますが、アイアンは去年の秋に使い始めた『ゼクシオ エックス』を使いますし、フェアウェイウッドはこのオフから『ゼクシオ イレブン』を使っていて、今は開幕に向けて最終調整をしているところです。
さて、今シーズンの目標ですが、まずは“キャリアハイ”をめざします。5年前に初めてシード権を獲って以来、年間獲得賞金額を毎年更新していたのが、残念ながら去年は一昨年に届かなかったので……。それと、やっぱり優勝して最終戦(LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ)に出たいですね。あの大会には、ツアーで初優勝した2017年に一度出ただけで、他の年はあと一歩のところで出られていないので、今年は余裕で出られるようにしたいと思っています。
最初に選手の代表としての気持ちをお伝えしましたが、一個人としては、早くファンのみなさんと、元気にお会いできたらいいなという気持ちでいます。そのために、私たちプロもそうですが、体調管理など今できることをしっかりやっていただいて、開幕を待っていただけたらと思います。
青木 瀬令奈(あおき・せれな)
1993年群馬県生まれ。7歳でゴルフを始め、2011年プロテスト合格。15年に初めてシード権を獲得すると、17年「ヨネックスレディス」でツアー初優勝。昨年まで5年連続でシード権を獲得している。身長153センチ、血液型O。