僕は、今年9月の「フジサンケイクラシック」で2年ぶりに優勝(ツアー通算3勝目)することができましたが、あの試合から使い始めたのが、この『スリクソン ZX7ドライバー』でした。
あの試合の前まで、国内男子ツアーが長く中断して時間がたっぷりあったので、トレーニング方法とかスイングとか、去年から試してみたかったことをいろいろ試してみたんです。使うクラブについても、新しいモデルをたくさんテストできたのですが、その中の一本が「ZX7 ドライバー」でした。その頃にちょうど松山さん(英樹プロ)もPGAツアーでスリクソンの新しいドライバーを使い始めたし、僕自身もドライバーの感触が良かったので、久しぶりの試合ではありましたが、「フジサンケイクラシック」で使うことを決めました。
「ZX7 ドライバー」を打ってまず感じるのは、初速の速さと打ち出し角の高さです。開催コースの富士桜カントリー倶楽部は、標高が高いので、出球は高いほうが飛距離が出るというのが僕の考え。だから、球を高く打ち出せる「ZX7ドライバー」は、あのコースに合っていたと思います。それに、あのコースはとにかく距離があって(※注:7566ヤード・パー71)、ティショットをドライバーでできるだけ飛ばさないといけないホールが多いので、その点でも「ZX7ドライバー」は、あのコースで武器になったと思います。
もうひとつ、このドライバーには、つかまりのよさを感じます。僕の場合、思い切り振ると右にすっぽ抜ける傾向があるのですが、「ZX7ドライバー」は、しっかりボールがつかまってくれるので、強く振ってもコントロールできている感覚があります。
飛距離が出るだけでなく、操作性も高い。それが「ZX7ドライバー」だと思いますね。
僕は今年の秋に、58度のウエッジとパターを除く12本を、いっぺんにスリクソンの新しいモデルに替えました。優勝した「日本オープン」では、そのすべてが大活躍してくれて、どれか一つに絞るのが難しいので(笑)、今回はフェアウェイウッド、ハイブリッド、ユーティリティをオススメしたいと思います。
まず、『スリクソンZX フェアウェイウッド』の#3と#5。これまでのスリクソンのモデルとくらべてヘッドが薄くなって、いかにもボールが上がりやすそうな感じがします。それと、新しいドライバーと同じで、初速が速くて、強い球が打てる。実際、球が上がりやすくなって、今まで乗せるのが難しかった距離のグリーンにも届くようになりました。
次に、『スリクソンZX ハイブリッド』の#3。これも強い球が出るうえ、曲がらないのが強みです。今年の日本オープンの3日目は雨が降ってすごく寒くて、全然ボールが飛ばなかったので、パー4のセカンドショットではほぼこれを握っていました(笑)。それだけ遠くからグリーンを狙わないといけない場面が多かったのですが、グリーンに届いて、しっかり止まってくれました。距離のあるパー3でも、ティショットをこれで打ってバーディチャンスにつけてバーディが獲れたこともあったし、特にあの日は頑張ってくれたと思います。
そして、『スリクソンZX ユーティリティ』の#4。実は、僕はこれまでは4番もハイブリッドを使っていたんです。でも、このユーティリティは形がアイアンに似ていてコンパクトなので、構えた時に「上から打ち込める感じがいいな」と。それで実際に打ってみると、イメージ通りの高さと弾道で飛んでいきました。飛距離も出るので、今は220ヤードなら、このユーティリティの#4で狙えます。日本オープンでも、通常はパー5のところをパー4にしたホールで、これを使ってツーオンさせることができました。距離があるので頭にボギーもちらつくホールだったのですが、難なくパーセーブができたし、パー3のティショットでも何度か使ったので、本当に大活躍してくれました。
フェアウェイウッド、ハイブリッド、ユーティリティと、新しいスリクソンのモデルはすべてボールが上がりやすいので、アマチュアの皆さんにも十分に使えると思いますよ。
※稲森プロの『スリクソンZX7 ドライバー』『クリーブランドRTX ZIPCOREウエッジ』『NEWスリクソンZ-STAR』に関するコメントはこちら
僕が、2020年シーズンに入って使い始めたのが、『クリーブランド RTX ZIPCORE ウエッジ』の50°、54°、60°という3本です。僕がウエッジを選ぶ基準は、まずはやっぱり構えた時の“顔”がいいかどうか。その点、これはクリーブランドらしい、オーソドックスなヘッドだと思います。あとは僕の場合、直感でとしか言いようがないのですが(笑)、打感はかなりやわらかいなと感じますね。スピン性能については、打ち方も関係してくるので、それまでとの差を感じるのは難しいのですが、晴れている日と雨の日とのスピンの差は小さくなった気がします。
ウエッジではソール形状も大事だと思いますが、今回、僕は50°と54°だけでなく、60°もソールは削っていません。最初にもらった形状のまま使っています。たぶん、形状が僕の打ち方に合っているんでしょうね。常に同じ打ち方ができていれば、いいアプローチができるし、寄らなければ打ち方が悪かったんだと分かる。そこはすごくいいかなと思っています。
そして、ボールも、10月の「日本オープン」から、新しい『スリクソン Z-STAR』(2021年2月発売。以下、STAR)に替えました。テストでは、「Z-STAR XV」「Z-STAR◆(ダイヤモンド)」も打ちましたが、やっぱり僕はSTARがいいなと。それは、アプローチショットでの打感が好きだからです。
テストではスピン量も計測してもらったのですが、僕の場合、特に100ヤードぐらいの距離を打った時にスピンが多くかかっていました。同じ距離を打っても、選手によってスピン量が違うのでしょうが、とにかく100ヤード前後のショットのスピン量の多さにはびっくりしましたね。
それと、「STAR」はパットのフィーリングもすごくいい。パットの打感は好みが分かれるところで、たとえば大二郎(出水田プロ)はしっかりした打感が好きなので「XV」を使っているようですが、僕はパターでもボールがフェースに食いつく感じがほしいので「STAR」なんです。
そんな感じで、今年の秋からは、新しいウエッジとボールの組み合わせを使ったのですが、ショートゲームに関しては自信をもってプレーできたかなと思っています。