2021/04/08

D-Cafeレポート

《新企画! 淺井 咲希、勝 みなみ、小祝 さくら Angels on the Fairway》 今年のツアーを一緒に戦う新たな“パートナー”は?

「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」(3月第3週)では、最終日に一時トップに並ぶ健闘を見せた淺井 咲希プロ。「開幕前からゴルフの状態はよかったので、自分でも自信があったんです。でも、ドライバーショットがひどくて、今年の初戦と2戦目はゴルフにならなくて(苦笑)。だから、「Tポイント〜」ではあまり自分に期待せずにプレーしました。ティショットは相変わらずでしたが、アイアンショットはキレキレで、一時10アンダーまで行ったときには、『このティショットで、どうしてこのスコアで回れるんだろう? 私ってスゴくない?』と思いました(笑)」と、今年初めて予選通過を果たした一戦を振り返っていました。実は、ドライバーショットについては、一昨年から頭を悩ませているそうで、「ツアーの中断期間中も、できるだけラウンドを増やして、コースでいかに打つかという練習をやってきたんです。その結果、練習では思い通りのショットが打てているので、それが試合でもできるようにしたいです」と、ドライバーショットの復調を今後の課題に挙げていました。

 昨年の国内ツアー終了後、今年の沖縄での試合までに、パター以外のクラブをすべて新しいモデルに替えたという淺井プロ。ドライバーは『スリクソン ZX7』にスイッチしました。その理由について、「ZX5も打ちましたが、ZX7のほうが“顔”がよかった。私、ドライバーは顔で選ぶので(笑)。アイアンは、ヘッドが大きめの5シリーズをずっと使ってきたのですが、ドライバーは小さい方がしっくりくるので、ずっと7シリーズですね」と解説。もうひとつ、ZX7を使う決め手となったのが風の中での球筋で、「私はドローヒッターなんですけど、左からの風に“勝ちたい”んです(笑)。風に負けずにまっすぐ飛んでいって最後に左に落ちる、みたいな球が打ちたいです。あくまで私のイメージなんですけど、ZX7は、私の好き感じに球がつかまってくれるし、きちんと打てばスピンがかかりすぎることもありません。すごくいい球が出るんです」と、プロならではの視点でその魅力を語ってくれました。

 春といえばゴルフのベストシーズンですが、淺井プロは、毎年春はあまり調子が上がらないのだとか。その理由について尋ねると、「上着を着るのがあまり好きじゃないんですよね。だから、『Tポイント〜』でも、ティショットを曲げた時にイラっとして、着ていたレインウエアを脱いで半袖でプレーしました」と笑って答えてくれた淺井プロ。となると、半袖でのプレーが増えるこれからが楽しみで、今後について聞いてみると、「ドライバーは、第2打でグリーンを狙えるところに打てさえすれば優勝争いができるんやと思いました。それと、最近パーオンしないことが多かったことでアプローチする機会も増えて、試合でチップインバーディも出ました。その意味ではアプローチショットはよくなったかなと思うし、パットも、ドライバーショットがよくなれば、もっと自信を持って打てると思います」と前向きにコメント。さらに、「もちろんツアー2勝目はしたいのですが、まずはトップ10回数を増やせたらいいなと思います」と具体的な目標を語ってくれました。

「何かまだつかみ切れていないと言うか、自分が納得できる良いゴルフはできていないのかなと思っています。悪いところをカバーして、なんとか予選通過しているけど、悔しい結果に終わってしまっている、という感じですかね」と、今年の序盤戦を振り返る勝 みなみプロ。どんな部分で苦心しているのかについて聞いてみると、「まず、パー3のスコアがよくないので、どうしても苦手意識があるんですよね。でも、パー3を上手く攻められれば、たぶんゴルフ自体すごいよくなると思います。それとスイングも、アプローチも含めて、少し前に突っ込んでいく感じになってしまっているので、そこを直したいなと。それは、、グリップをちょっとフックに変えた影響もあるかもしれないので、いろいろ試しながらやっていきたいなと思っています」と勝プロ。序盤戦ということもあり、試行錯誤が続いているものの、今年4戦目の「アクサレディス」では、3日間平均260.1ヤードという記録で見事ドライビングディスタンス賞を獲得。ショットは確実に復調に向かっているようです。

「今年新たに使い始めたクラブは?」という質問に対し、勝プロが真っ先に挙げたのが『スリクソンZX フェアウェイウッド』の#5。「構えてみて、地面に吸いつくような感じがして、ボールを“拾いやすい”気がします。実際に上がりやすいのですが、なおかつ球も強いので、曲がりも少ないのかなと感じますね」と高く評価している様子。ちなみにバッグに入れているフェアウェイウッドは、この一本だけ。その理由について、「一昨年までは3Wも入れていたんですけど、たいていのパー5の2打目は5Wで届くので、使わないなら抜いちゃおうと。代わりに、ハイブリッドの4番と5番アイアンのあいだに4番アイアンを入れています」と解説してくれました。また、同じく今年に入ってから実戦での使用を開始したNEW『スリクソン Z-STAR XV』については、「飛距離も出ますけど、前のモデルとくらべて、ウエッジのスピン量が増えて、コントロール性が少し上がったかなと感じます」と、アプローチショットでの“進化”を実感しているようです。

 アマチュア時代を含めこれまでのツアー4勝のうち、実は3勝を4〜5月に挙げている勝プロ。それについて、「プロの1年目、2年目は調子がよかったし、たしかに春はいいイメージがありますね(笑)。今年はまだあまり上手くいっていないですけど、いまはゴルフのベストシーズンだし、花がきれいなコースもあるので、そこは楽しみたいなと思います」と語るなど、今後の活躍が期待できそう。また、調整中だというスイングに関しては、「すぐには結果に結びつかないと思っているのですが、私はどうしても考えすぎちゃう部分があるんですよね(苦笑)。だから、あまり考えすぎずに、自分が信じたことをやっていけたらいいなと」とコメント。前出の「アクサレディス」から、2試合続けて最終日に60台をマークするなど、年々伸びている飛距離とともに、本来のプレーを見せつつある勝プロ。日頃から目標に掲げる「楽しく、笑顔でゴルフをする」を実践する姿にも注目です。

 ご存じのように、2021年初戦の「ダイキンオーキッドレディス」に続き、2週間後の「Tポイント×ENEOSゴルフ」でも優勝を飾った小祝 さくらプロ。「初優勝の時はホントに絶好調だったんです。でも、今年の2勝はどちらもそうではなくて、パットも心配と言うか、結構悩みながらプレーしていたので、よく勝てたなという感じでした。天候が荒れていて、みんなスコアを伸ばすのが難しかったのと、『Tポイント〜』はリーダーボードがあまりなくて、終盤まで自分の順位とかスコアをあまり気にせずにできたのがよかったのかなと思います」と、勝因を振り返ります。また、どちらの試合も強風が吹いたものの、小祝プロは低い弾道のショットで対応。それについて、「低いボールを打つ練習は、一昨年ぐらいから練習していたんです。その成果が、今回の2試合では、かなり出せたかなと思います」と話し、ショットのバリエーションが増えたことも勝因に挙げていました。

 小祝プロが今年のツアーで新たに投入したのが『スリクソン ZX5ドライバー』。去年のツアー終了後、ダンロップのクラフトマンと何度かフィッティング作業をした末に替えたそうで、「私はもともと球が高いのですが、ZX5は前のモデルよりもちょっとだけ弾道が低くて、強い球が打てると感じたので替えることを決めました。弾道は低いほうが、風が吹いた時にはいいですから」とスイッチした決め手を話してくれました。また、ボールも今年からNEW『スリクソン Z-STAR XV』を使用中。「私はあんまりボールにこだわるほうではなくて(苦笑)、今までずっとXVを使ってきたので、今回もXVを選びました。ただ、もともと飛距離が出るからという理由で選んだXVですが、アプローチショットのスピンが増えたかなと感じますね。『Tポイント〜』でも、ウエッジのコントロールショットですごくスピンがかかってくれたので」と、優勝争いの大事な場面でピンそばにピタリと止めたショットを振り返っていました。

 淺井プロと同様、例年春はあまり調子がよくないと話す小祝プロ。「風が強いし、まだ寒い日もあるし、難しいコースが多いから」というのがその理由ですが、今年は打って変わって早くも2勝と絶好調。ただ、「今年のツアーはまだ始まったばっかりだし、優勝して気が楽になったということはまったくなくて、逆に練習も、ここからしっかり、考えながらやらなきゃダメだと思っています」とまったく安心している様子はありません。そして、自信が目標に掲げている初の賞金女王についても、「どの選手も、なれるといいなと思ってプレーしていると思うのですが、私は去年から『獲りたいな』と強く思うようになりました。残りの試合も全部出られる自信はありますが、調子を維持するのはすごく難しいので、どうしたらそれができるのか考えながら、調整したいと思います」と気を引き締める小祝プロでした。