2021/06/23

D-Cafeレポート

《祝・ツアー2勝目!! 青木 瀬令奈プロ 独占インタビュー》 勝ったことで自信が生まれ、3勝目への道筋が見えた。このまま足を止めずに進んでいきたい

D-cafe:まずはツアー2勝目おめでとうございました!
青木 瀬令奈プロ(以下、青木)、大西 翔太コーチ(以下、大西)ありがとうございます!

D-cafe:最終ラウンドは4打差を追いかける展開でしたが、スタート前に何か目標は立てていたのでしょうか?
青木:逆転できたらいいなという発想はあまりなくて、「やるべきことをやらなきゃ」と考えていました。それは初日から同じで、最後まで徹底してやれたらいいなと。それはショットだけではなくて、パットも悪い癖を出さないように、一打一打に真剣に向き合おうと思いました。それと、メンタルの部分で言うと、あまり気持ちの波を作らないように心がけました。

D-cafe:大西コーチは、スタート前に何か声はかけたのですか?
大西:はい。相手は今一番勢いのある選手なので、意識するといいプレーができないなと思ったので、過去と未来を考えるんじゃなくて、目の前の一打に集中してやって行こうという話を朝からしていました。実は、青木プロは前週まで、トップ・オブ・スイングから切り返す時に、手がこぶし2個分背中側に下がってからダウンスイングに入るために、しゃくり上げるような動きになっていました。それを、「サントリー~」の期間中、トップの位置からそのまま打とうというチャレンジを、練習場でずっとしてくれていました。それによってボールが飛び出す方向のバラつきがなくなって、最終日の朝の練習場でもすごくいい状態になっていたので、個人的には楽しみだなと思っていました。

D-cafe:その成果だと思いますが、最終日はドライバーのティショットが14ホール中13ホールでフェアウェイをキープしました。
青木:あの週は、ほかにも、フォロースイングで手がアウトに出て体から離れすぎてしまうクセを直していたのですが、7番ホールのティショットだけ、そのクセが出て、左のラフに入れてしまったんです。でも、あそこでラフに入れたことで、最後のプレッシャーかかる場面でも、まったくのノンプレッシャーでスイングできて、あのフェアウェイキープ率につながったと思います。よかったのはドライバーだけじゃなくて、最終日のパーオン率は100パーセントでした。そんなことは人生で初めてでした(笑)。
大西:ドライバーは本当によかったです。4日間通して、とにかく曲がらなかった。あのコースは、ドッグレッグで打ちおろしとか、ティショットでフェアウェイを狙いづらいホールがいくつかあるんですよ。
青木:6番とか8番がそうだし、18番も風の影響を受けるのでフェアウェイを狙いにくかったよね。
大西:そういうホールで、狙い通りの球が打てたんです。ティショットに、いつも以上に正確性があったのが、大きなアドバンテージになったんじゃないかと。一緒に回った選手からも「ホントに曲がらないですよね」と言われていたので。
青木:フェアウェイキープ率は、4日間トータルで計算したら約79%で、最終日に関しては93%だったので、それが4打差の逆転とノーボギーにすごく力を貸してくれたなと思います。

D-cafe:青木プロは、昨年から『ゼクシオ エックス』ドライバーを愛用していますね。改めて、このモデルのいい点を挙げていただけますか?
青木:安心感がありますよね。それと、素材の感じがすごく好きですね。フェースの見え方もそうだし、打感も、弾く感じがちょうどいいというか、球離れが早すぎず、遅すぎずなんです。そんな球を押せる感覚が気に入ってます。

D-cafe:聞くところによると、優勝した週にドライバーの長さを変えたのだとか。
青木:はい。0.25インチ延ばして45.75インチにしました。ほかにも、アイアンとウエッジのグリップの向きを少し変えて挿し直してもらいました。前の週には、アイアンのシャフトの調整をしてもらったし、ほぼすべての番手をいじって、あの試合に臨んだんです。クラフトマンをはじめダンロップのスタッフのみなさんが、私のわがままをたくさん聞いてくださって(笑)、希望通りに調整してくださるので、皆さんには本当に感謝しています。

D-cafe:大西コーチも『ゼクシオ エックス』ドライバーを使っているとお聞きしましたが。
大西:もちろんです。“Teamゼクシオ”ですから (笑)。「ゼクシオ エックス」は、とにかく曲がらないですね。それでいて、しっかり距離も出ます。あと打球音が気持ちいい。あの爽快感はゼクシオならではで、他のドライバーより音が高いですよね。青木プロのバッグを担いでいても、一緒に回る他の選手から、「瀬令奈ちゃんはゼクシオですよね?」と言われます。音を聞いただけで、みんなゼクシオだとわかるんですよね。

D-cafe:青木プロは、ゴルフボールはずっと『スリクソン Z-STAR XV』を使っていますね。最新モデルはどんなところが気に入っていますか?
青木:あくまで私の感覚ですが、前作より少しだけ打感がソフトになって、操作性がよくなったんじゃないかと感じています。あとは初速の速さですね。当たった瞬間にフェースにくっつく感じがして、それから勢いよく飛び出していくので、雨や風にも強いのかなと。練習場でXVと他のボールを打ちくらべてみると、やっぱり初速も打感も全然違うなと感じます。
大西:キャディとして見ていると、新しいXVは空中でボールが前に突き進んでいく感じがすごくします。初めて見た時にそう感じたので、すぐに「瀬令奈ちゃん、替えましょう」という話をして、青木プロも「私もそう思う」と言うので、すぐに替えたんです。女子プロでは青木プロが最初に替えたんじゃないかと思います。その後、僕が他のプロから、「大西さん、新しいボールどうですか?」と聞かれたので、「前に行く感じがあるから、絶対に替えた方がいいよ」と答えたのですが、その選手も「新しい方が全然よかったです」と言っていましたね。

D-cafe:4年前の初優勝は2日間の短縮競技でしたが、今回の2勝目は4日間・72ホールを戦っての優勝です。
青木:そうですね。初優勝した時は、スタートが最終組の1時間くらい前だったので、そもそも優勝争いをした感覚がありませんでした。上位陣が伸ばせずに、優勝がこぼれ落ちてきた感じだったので、「こうやったら勝てるんだ」という発見もなくて、「どうやったら2勝目ができるんだろう?」と思っていました。でも今回は、最終日最終組でプレーして、しかも目の前に目標とする選手もいて、最終的に競り勝って、最終ホールでウイニングパットを沈めて優勝できました。だから、同じ優勝でも全然違いますよね。

D-cafe:4日間競技で勝つには、技術のほかにも必要なものがある気がします。
青木:4日間競技で優勝する選手というのは、スケールの大きいゴルフをするというイメージがあって、以前、同じ「サントリー~」で美寿々(成田プロ)が優勝した時にも、「やっぱりスケールの大きいゴルフする選手が勝つんだ」と納得しました。だから、まさか自分が同じ大会で勝てるなんて思っていなくて。体力も精神力も必要だし、なおかつ六甲国際GCは難しいコースです。私自身アマチュアの時からマンデートーナメントに出させてもらっているのですが、すごく苦手意識があったんです。距離が長いし、ピンもかなり振ってくるので、ショットメーカーじゃないとバーディチャンスにつかない。グリーンもアンジュレーションがありますし。そういう大会で優勝できたのは、私の人生の中でも大きな意味があるし、3勝目をめざす上でも、すごく意味のある優勝だったなと思います。

D-cafe:大西コーチは、2015年から青木プロとタッグを組んでいますが、間近で見ていて青木プロの成長や変化を感じることはありますか?
大西:成長という点で言えば、最終日のプレーを見た人はわかると思うのですが、本当にスキを見せないゴルフをしていました。心の芯が強くて、それが日を追うごとに強くなっていったと思います。そうなったのは、本当に日々の積み重ねだと思っていて、トレーニングも練習も、怠らずに、積み重ねてきたんです。僕もコーチとして、いろいろなチャレンジをさせてもらったのですが、なかなか結果が出ずに、本人はもちろんですが、僕も、もどかしさを感じていました。「どうしたら優勝を引き寄せられるんだろう? クラブかな? スイングかな?」と毎日考えて、それを青木プロに伝えてということを繰り返していたのですが、今回の優勝でそれが報われました。

D-cafe:優勝したあと、「今シーズンは、これまで本当に苦しかった」と話していましたが、ご自身では何が原因だったと思いますか?
青木:そうですね。コロナ禍で自分の将来について考えた時に、「自分は何歳までやれるんだろう?」みたいなことを思うことはありました。それと、今年に関しては本当に結果が出なかったので、「今年シード権を取れなかったらどうしようかな」とも。そういう不安な気持ちがプレーに出てしまっていたのかなと今は思いますね。ただ、5月に入ってからは、吹っ切れたというか、目標に向かってやるべきことを見据えてできていたかなと思います。
大西:実際に僕との会話の中でも、青木プロは「引退したくないけど、しなきゃいけないのかな」とか、「自分のゴルフが通用しなくなってきた」みたいなことをけっこう口にしていたんです。それを聞いて、僕自身、「なんとか前を向いてもらいたいな」と悩んで、チームとしてもがき苦しんでいました。でも、優勝して、インタビューなどの行事がすべて終わって瀬令奈ちゃんと合流した時に、「ありがとう、頑張れたよ」みたいなことを言うのかと思ったら、「諦めることを諦めさせてくれてありがとう」と言ってくれたんです。前を向かせてくれて、背中を押してくれてありがとうと言ってもらえて、気持ちが救われたというか、本当に嬉しかったし、僕の中の今年の流行語大賞ですね(笑)。

D-cafe:それはいいお話ですね。今回の優勝は、今後もツアーで活躍できることを証明したように思います。
青木:そうですね。ツアーのスタッツを見ると、私は飛距離ではランク外というか、予選を通過した選手の中でいちばん飛んでいないこともあるのですが、それでも今回、大会レコードタイを出せたことで、“自分のゴルフ”を知ることができました。そして、自分のゴルフに合ったクラブだったり、ボールだったり、いろいろな選択肢がある中で、自分らしいプレーを引き出してくれるものを選ぶことで、不可能を可能にできるというか、よりゴルフの幅が広がる可能性を感じました。

D-cafe:今回の優勝で、毎年出たいと言っていたツアー最終戦にも文句なしで出場できます。
青木:(ここでガッツポーズをつくり)はい! もう今から宮崎に行くのが楽しみです(笑)。

D-cafe:2021年の女子ツアーはちょうど折り返し地点です。最後に、残りのシーズンに向けて、目標になり抱負があれば教えてください。
青木:「サントリー~」では、練習日から「勝つ」というイメージを具体的にしながら、そのためには今どうしたらいいかをすごく考えて、それを実践できた結果、優勝につながりました。それは、すごく自信になりましたし、3勝目に向けて、またこうやって目標を設定したら優勝できるかもしれないという道筋が見えたような気がするので、今年中にもう1勝、2勝できたらいいなと思っています。今は気持ちがすごく前向きになっているので、このまま足を止めず、でも奢らずにきちんと足元を見て、一つひとつやるべきことをやりながら進んでいきたいなと思っています。
大西:Teamゼクシオで頑張ります(笑)!