「ずっとドライバーショットで苦戦していた感じですね(苦笑)。『ほけんの窓口レディース』(5月第2週)でも、最終日のハーフターンの時点ではたぶんトップに立っていました。でも、後半の最初のホールでティショットをOBにしてしまって……。アイアンショットは悪くないし、パットも例年にくらべるといい感じなんですけどね」。今年の前半戦での自身のプレーについて、こう振り返る淺井 咲希プロ。優勝争いの中でのミスを悔やんでいたものの、今年前半戦のベストプレーもやはり同じ「ほけんの窓口レディース」だそうです。「初日を終えてカットラインが気になる位置にいたのですが、2日目はスタートから7ホールで5つスコアを伸ばすことができたんです。その後、雨が強くなって残念ながら、サスペンデッドになってしまったのですが、翌日も朝イチでバーディが獲れて。結局、ハーフを『30』で上がれたので、あの時は久しぶりに〝ゾーン〟に入ったなと感じました」と満足気に話していました。
「今年の上半期でいちばん印象に残っている出来事は?」という質問に、「誕生日(6月13日)のプレゼントに、〝さく〟(小祝さくらプロの愛称)がピアスをくれたことですね」と笑顔で答える淺井プロ。自身がツアー初優勝を飾った際に、小祝プロからプレゼントされたピアスをつけていたそうで、「そのことがあったので、〝さく〟も考えてくれたみたいで、『これをつけたら、またいいことがあるんじゃない?』みたいな感じで渡されました。普通のピアスかと思ったんですけど、よく見たら〝蜂〟の形をしていました(笑)。」ちなみに、今年4月の小祝プロの誕生日には、メイク用品をプレゼントしたそうで、「名前がさくらだし、ちょうど桜の時期なので、毎年桜とコラボしたコスメがいろいろ出るんです。だから、それをあげたりしてますね」と淺井プロ。今年はお肌をケアする商品をプレゼントしたそうで、小祝プロいわく、「すごく使いやすいので、ほぼ毎日使っています」とのことでした。
2021年のJPLGAツアーも38試合のうち半分が過ぎ、後半戦に突入。梅雨が明け、夏本番を迎えていますが、「私はジュニアの頃から春先はあまり調子がよくなくて、ここからが得意な季節。だから調子を上げていけたらと思っています」と淺井プロ。復調のカギを握りそうなティショットについては、「やっぱりドライバーで打つのが理想だし、練習もするけど、結果も大事なので、ドライバーにこだわらず、フェアウェイウッドでも打とうと思っています」。そのために、7月に入ってからハイブリッドを3本に増やしたそうで、「ティショットの飛距離を補うためですが、夏になってラフが元気になるので、ミドルアイアンよりハイブリッドのほうが出しやすいし、グリーンでも止まってくれるので」とコメント。そして、後半戦の目標について、「今年はトップ10の回数にこだわってやってきたのですが、なんか考えすぎていたかなと思ったんです。だから、ここからはツアー2勝目だけを目標にプレーしようと思っています」と言葉に力を込める淺井プロでした。
5月最終週の「リゾートトラスト レディス」で2020~21シーズンの初優勝を飾った勝 みなみプロ。まずは、その試合について聞いてみると、「すごく調子がよかったわけではないので、運がよかったという感じですね。でも、1勝は1勝なので、とにかくシード権を獲得できてよかったです。それに、地元・鹿児島に近い宮崎で開催されるツアー最終戦には絶対に出たいと思っていて、その出場権も得られたので、とにかくホッとしました」と、喜びより安心感のほうが大きかったと話していました。そして、今年前半戦の自身のプレーについては、「満足できない結果がずっと続いていたのが、あと少しで前半戦も終わりという試合で勝てたのはよかったですね。それに、序盤にああいう調子が悪い時期があったからこそ、今の自分があるのかなとも感じています」と、苦しみながらも収穫があったことを明かしてくれました。
今年上半期のいちばん印象に残る出来事として勝プロが挙げてくれたのが、やはり誕生日(7月1日)のプレゼント。「優勝した『リゾートトラスト~』では母がキャディをしてくれました。本来なら帯同キャディさんに渡すお金が手元に残ったので、母が『その分で何か誕生日プレゼントを買っていいよ』と言ってくれて。それで、6月の終わりに、私のお気に入りのジュエリー屋さんでピアスを買ってもらいました」。母親の久美さんは勝プロがアマチュアの頃からたびたびキャディを務めていますが、プロに転向してからは今回が初めての優勝。「親御さんによっては、(子どもの)優勝キャディになりたいという方もいるみたいですけど、うちの母はあまり積極的ではなくて『やりたくないよ』と言うのですが、今回はたまたまお願いしたら優勝してしまって(笑)。いつもマネージャーをやってくれていて、あの試合では、それに加えてのキャディだったので、たぶん大変だったと思います」と感謝を口にする勝プロ。ちなみに、久美さんの2月の誕生日にも、ピアスを買ってプレゼントしたそうです。
6月上旬の「全米女子オープン」から帰国後、2試合連続でトップ10に入るなど、後半戦に入っても好調をキープしている勝プロ。「アドレスで肩の周りに力が入っているなと感じていた時に、肩をちょっと前に出して背中を丸める感じで構えてみたら、力が抜けて、インパクトで詰まって身体が起き上がる動きがなくなったんです。パットも、いろいろ考えすぎていたので、こうだと思ったらすぐ打つようにしたら、けっこう結果がよくて。だから今は、優勝した頃よりも、スイングもゴルフの内容もよくなっています」と好調の秘密を明かしてくれました。そんな勝プロに、後半戦の目標を聞いてみると、「やっぱりメジャー大会に勝ちたいので、その目標は心の底に置きつつも、出るからには、全試合で優勝をめざします。調子が上がってきて、今は迷いや不安は消えつつあるので、あとは自分に自信をもってプレーできるかどうかがいちばん大事なので、後半戦はもっと自信をもって頑張りたいと思います」。
2021年は、初戦に続き2週間後の試合でも優勝し、3月に2勝を飾った小祝 さくらプロ。大満足の前半戦かと思われましたが、本人の感想は違うようで、「春先は調子がよかったのですが、途中からなかなか調子が上がりませんでした。ショットがいいとパットがよくなくて、パットを練習してよくなると、今度はショットが悪くなるという感じで……」。今年のここまでのベストプレーも、優勝した2試合ではなく、プレーオフの末に惜しくも2位に終わった「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」(4月第2週)で、とてもいいプレーができたのだとか。ただ、「ちょっとしたミスがきっかけで流れが変わったりしたので、すごくもったいないゴルフだったなと思います」と反省もあるようです。とはいえ、優勝した2試合を含め、前半の19戦のうち実に8試合でトップ5に入り、賞金ランキングでトップを走り続けるだけに、間違いなく前半戦の主役と言えるでしょう。
今年上半期のいちばん印象に残る出来事として、小祝プロが挙げてくれたのが、同じダンロップ契約の松山 英樹プロのマスターズ・トーナメント初優勝。最終日はテレビ中継を見ていたそうで、「優勝した瞬間は、泣くまではいかなかったけれど、感動しました。ゴルフが始まって何百年か経つ中で、日本人の男子プロがメジャーに勝つというのは、一生に一度かもしれないし、何十年に一度という出来事なのかもと思うと、本当にスゴいなと思いました」。ちなみに松山プロとは、以前合宿で訪れたロサンゼルスで、たまたま声をかけてもらって一緒に9ホールをプレーしたことがあるそうです。ところで、小祝プロ自身の海外志向は? 「実は2年前ぐらい前まではあったのですが、去年12月の『全米女子オープン』で初めて海外メジャーに出て、想像していたより現実は厳しいなと感じたんです。初めてのことだらけで、見ることすべてが新鮮で楽しかったのですが、言葉や食事の面では大変だなと。だから今は、メジャーの出場権がもらえれば、単発で出てみたいなと思っています」。
「まだ半分残っていると考えると、すごく長いなと感じるのですが(苦笑)、ここからがすごく大事になってくるので、前半戦以上に気合を入れていかなきゃと思っています」と、後半戦への意気込みを語る小祝プロ。自身のツアー1勝目と2勝目は夏場に挙げているだけに、この夏も優勝に期待がかかりますが、「たしかに暑さに苦手意識はないのですが、今までよかったからといって、今年もいいかどうかはわからないですからね」とあくまで慎重。そんな小祝プロが、目標として掲げる賞金女王になるためにめざすのが、安定感のあるゴルフ。「少し気が早いかもしれませんが、私は冷え性なので、毎年寒くなり始めると下半身の動きが悪くなって、調子も下がってしまうんです。今年はそうならないよう、しっかり体調管理をしたいですし、とにかく年間を通して、好不調の波が小さいプレーができたらいいなと思います」。