みなさん、こんにちは。香妻 陣一朗です。いつもご声援ありがとうございます。そして、先日の「東建ホームメイトカップ」での優勝、それから僕の結婚に対して、たくさんのお祝いのメッセージをいただき、どうもありがとうございました。
まず優勝した試合の話からしたいと思いますが、とにかくあの試合での僕は、ショットが〝絶〟がつくほど不調でした(苦笑)。特に最終日は優勝争いの緊張もあり、アイアンショットがグリーンに飛んでいかず、パー3では一度もパーオンできませんでした。
2日目からトップを守っていたものの、最終日の16番ホールをボギーにした時点で、「もう、これはトップじゃないだろうな」と思っていました。18番パー4で第2打をオンさせた時も、「この調子で2位になれたら上出来でしょ」とキャディと話していたんです。
それでグリーンに近づいたらリーダーボードが見えて、桂川君(有人プロ)がトップだと知って、同じ最終組でプレーしていた陸也(星野プロ)と二人で、「あいつ、やるな」と話していました(笑)。そして、自分が1打差の2位だとわかったのですが、次にボールの位置を見たら、思っていたよりピンまで近くて。「これを入れたらプレーオフだ」と急にやる気が出ました。陸也は第2打をピンの近くにつけていたけれど、桂川君とは2打差で勝ち目はなかったので、陸也には「俺が頑張るわ」と言いました。
バーディパットは、6mぐらいの上りでしたが、僕はパットする前からアドレナリンが出まくっていました(笑)。そして「絶対に入れてやる!」と思って打ったら、読み通りにスライスして入ってくれました。
あの試合でショットが不調だったのは、調整が間に合わなかったからだと思います。このオフはラウンドを多くした分、打ち込みの量が少なかった。もうちょっとショット練習を多くやってもよかったかな、と今は思います。
それでも優勝できた要因は、ショートゲームが上手くいったからだと思います。あの試合では、ショットがそんな調子だったので、バーディを獲りにいくことは頭になくて、ずっと「どうやったらパーで上がれるかな?」と考えながらプレーしていました。それで4日間で14アンダーというスコアが出たのは、本当に不思議な感覚でした。
初優勝の時はあまり実感が湧かず、「たまたま勝てた」という感じがしました。でも、今回はたまたまではなかったので、「こういう勝ち方もできるんだ」と、すごく自信になりましたね。初優勝が一昨年で、それからあまり間隔を空けずに2勝目ができたのはよかったのですが、もっと早く勝てたなとも思います。去年は2位になったことが3回あって、そのうちの1試合は、すごく勝てる感じがしていました。でも、決めないといけないパットを決められなかったことで、その結果、優勝できなかったので悔いが残りました。
先ほどオフシーズンの話をしましたが、ショット練習は足りなかったものの、トレーニングは誰よりもやったという自負があります。トレーニングは、ウェイト系もやりましたが、今年はとにかく走りました。自分でも、「よく走ったな」と思うぐらい(笑)。長い距離も走りましたが、メインはダッシュ系で、トレーナーと相談しながら、いろいろ長さを変えてダッシュしました。ダッシュする場所も、坂道だったり、砂浜だったり、いろいろな状況で走りました。
さて、今シーズンの僕の目標ですが、幸先のよいスタートが切れたことですし、もう1勝して、賞金王争いに絡みたいと思っています。実は、今シーズンは開幕から、「絶対に2勝したい」と思っていました。2勝できれば、おのずと賞金王争いが見えてくるはずだし、2勝すれば、「もっと勝ちたい」という気持ちになると思うんです。
そして、海外メジャーにもメチャ行きたいです。海外の試合には出たことがありますが、まだメジャーには出たことがないし、特に「マスターズ」には行ってみたい。僕は、マスターズに出場することを夢見て、小さい頃からゴルフをしてきたからです。その夢をかなえるためにも、賞金王をめざして頑張りたいと思っています。
香妻 陣一朗(こうづま・じんいちろう)
1994年鹿児島県生まれ。2歳でゴルフを始め、姉の琴乃プロらとともに腕を磨く。「九州アマ」優勝、「世界アマ」代表などの実績を残し、18歳でプロ転向。2016年にチャレンジ初優勝を飾ると、20年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」でツアー初優勝。今季第2戦「東建ホームメイトカップ」でツアー2勝目。身長165センチ、体重71キロ。血液型A。