みなさん、こんにちは、桂川 有人です。毎日暑い日が続いていますが、お元気でしょうか。今日はまず、ツアー前半戦の僕自身のプレーについてお話ししようと思います。
今年、僕は初めてツアーに本格参戦していますが、ここまでを自己採点すると、80点ぐらいはあげていいんじゃないかと思います。満点には20点足りませんが、どの世界でも、どんな人でも完璧というのはないと思うので。
勝因は、やはりパットだったと思います。伸ばし合いの試合では最後はパット勝負になるものですし、あの試合では僕自身上手くパットができました。
一方で、(2位タイに終わった)5月の「ダイヤモンドカップゴルフ」では、最終日に4パットをしてしまいました。あの試合で僕は2日目、3日目とトップタイで、最終日も優勝争いのプレッシャーはまったく感じませんでした。アプローチショットもスムーズだったし、グリーンも速さや硬さをそれほど感じていなかったんです。
ただ、15番ホールは、グリーンの傾斜がかなり強かったこともあって、上りのバーディパットを思っていた以上に強く打ってしまって。気持ちが入りすぎたんだと思います。思ってもみないところに行ってしまって、少し焦りが出たのかもしれません。パーパットも頭の中がごちゃごちゃのまま打ってしまった感じですね。
覚えている方もいると思いますが、3月の「東建ホームメイトカップ」では、プレーオフの末に香妻さん(陣一朗プロ)に負けてしまって2位でした。そのプレーオフでの僕のバーディパットについて、後日、JGTOの青木功会長からアドバイスをいただいたんです。
僕は、こう打つと決めたら、パッと打つタイプなんです。それについて、青木会長は、ふだんはそれでいいと思うけれど、ああいう大事な場面では、もうひと呼吸置いてもいいじゃないか、そうしたらまたちょっと考えが変わる場合もある――そんなアドバイスをくださいました。それを聞いて、なるほどと思ったのですが、「ダイヤモンド~」でのパットは、まだ15番でのことだったので、そこまでは考えていませんでした。それに、たしかに大事な場面ではありましたが、結局、〝振り返ってみれば……〟という話なんですよね。
それに、神頼みというわけではないのですが、僕は、やる前から勝つ人は決まっていると思っています。だから、自分のやるべきことをやるしかない。今年の僕に関して言えば、まずツアーに出るところから始まりました。そして、試合に出続けていれば、1回ぐらいは〝当たる〟ことはあるんじゃないか。そんな気持ちで僕はやっています。「この試合は絶対に勝たなきゃ」と自分を追い込むことで気合が入る人もいるのでしょう。でも、僕はそれだとダメなタイプで、平常心でいるほうが、いい結果が出ると自分では分析しています。
スタッツも全然気にしていません(注:パーオン率、トータルドライビングともに1位。7月1日時点)。意外と適当なんです(笑)。それよりも感覚が大事だと思うし、イメージは本当にシンプルに、全ホールバーディをめざしています。
これだけ続けて試合に出るのは僕にとって初めての経験なので、途中、疲れがたまった時期も正直ありました。そのため、時々名古屋からトレーナーの方に来ていただいてマッサージを受けたり、振動するローラーでセルフケアをしたりしました。そう言えば、最近、電気治療器も買いました(笑)。疲れがたまりやすい腰や首、肩を中心に、気になるところに電気を当てて、疲労回復に使っています。
でも最近、ダンロップのクラフトマンの方に左用のクラブを作っていただいて、実際に球を打つようになりました。素振りでもよいのですが、ボールを打ったほうがより筋肉を使いますから。右打ちほど上手くボールには当たりませんが(笑)、右打ちとは逆の筋肉を使うことを意識して、筋肉が偏らないようにしています。
さて、次の僕の試合はスコットランドで行われる「全英オープン」です。開催コースのセントアンドリュースに行ったことはないですし、ヨーロッパ自体行くのは初めて。フィリピンでリンクスと言われているコースでプレーしたことはありますが、たぶんセントアンドリュースはそれとは全然違うでしょう(笑)。
バーディを獲ろうと思ってもなかなか獲れないコースのはずなので、いかにボギーを打たないようにするかだと思います。日本でやっているゴルフとは変わるかもしれませんが、やってみないことにはわからないですね。
桂川 有人(かつらがわ・ゆうと)
1998年愛知県生まれ。中学卒業後フィリピンに渡りゴルフ修行。帰国後に進学した日大時代に「日本学生」「日本オープン ローアマ」等のタイトルを獲得。2020年10月プロ転向。2021年ABEMAツアーでプロ初優勝。今年4月の「ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」でツアー初優勝。今季賞金ランキング2位(7月1日時点)。身長167センチ、70キロ。血液型B。