2022/08/04

D-Cafeレポート

《リラックス・トーク》それぞれ違ううれしさを感じた前半戦の2勝。全英女子OPでは自分に足りないものを知りたい ~ 山下 美夢有 ~

 みなさん、こんにちは、山下 美夢有です。いつも温かいご声援ありがとうございます。今年のJLPGAツアーも半分が終わりました。今日は私の前半戦のお話からしたいと思います。
 みなさんご存じかもしれませんが、私は5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」でメジャー初優勝を飾ることができました。今シーズンはメジャーで勝つことを目標にしていたので、それができたのは、自分の中でとても大きな出来事でした。

 私にとってツアー2勝目になりましたが、メジャーに勝ったことで、私を応援してくださるファンの方が増えたなと感じています。それはありがたいことだし、メジャーに勝っていちばんのうれしかったのはそのことかもしれません。
 そして、ひと月後の「宮里藍 サントリーレディスオープン」でも優勝することができました。あの大会には、まだアマチュアだった2019年に初めて出場して、今回が3度目の出場でした。

 初出場した年は、予選は通過したものの結果はあまりよくありませんでした(34位タイ)。ただ、会場の「六甲国際ゴルフ倶楽部」はすぐに好きになりました。コースに行ったのは、大会の練習日が初めてでしたが、まず練習場が広々としていて、打っていてすごく気持ちがよかったです。コースはグリーンの傾斜が読みづらくて難しいのですが、そこも含めてプレーしていて楽しいですね。

 大阪出身の私にとって、関西での試合はやっぱり特別な感覚があります。それに今年の大会には、高校時代の同級生や知り合いがたくさん応援しに来てくれました。関西の試合で、しかもたくさんの友だちが見ている前で優勝することができたのは本当にうれしかったです。

 去年と今年の自分をくらべると、今年のほうがショットが安定しているとは思いますが、何がいちばん変わったかと言えば、身体の安定感が増したことです。それは、シーズンオフにトレーニングしたことにプラスして、あえて体重を増やしたから。それで身体が大きくなって、ショットの安定感につながっていると思います。

 体重を増やしたのには、他にも理由があります。実は、去年は後半に疲れが出て、成績も振るいませんでした。だから、シード権を獲って1年間フルに出られることになった今シーズンは、最後までしっかり戦えることを目標にしました。
 そのために、今年は体重を増やして開幕を迎えました。シーズンが始まって1キロぐらい落ちた時期もありますが、3~4キロも落ちてしまった去年とくらべると、目標に近い体重をキープできています。
 体重をキープするには、やっぱりたくさん食べること。ツアー中のお昼ごはんは、おにぎりを軽く食べるくらいで、しっかり食べることがないので、その分、夜にしっかり食べるよう心がけています。晩ごはんは……やっぱり焼肉に行くことが多いですね(笑)。

 今年は夏が早く来て、暑さの中での試合が続いているので、自分でも「疲れてるな」と感じることがありました。そんな時は、地元に戻ってトレーナーさんにケアをお願いしています。マッサージをしてもらうと疲れがとれるし、すごく元気になります。
 それと、私の場合、ラウンド中はカットフルーツを食べるようにしています。パイナップルとかリンゴとか、いろいろな果物がミックスされているものを食べるのですが、それで糖分と水分を補給する感じです。

 ドライバーの飛距離が5ヤードくらい伸びたことも去年との違いです。それは、体重を増やしたこともありますが、ミート率が上がったのが関係していると思います。スイングは特に変えていないのですが、アドレスでのボール位置によって、ヘッドの遠心力の伝わり方が変わってくるんです。父と一緒にトラックマン(弾道計測器)を使ってショットを計測しているうちに、そのことに気づきました。父とはいつもデータを見ながら一緒に研究していて、ボール位置を変えてからは、ミート率が上がってショットも安定するようになりましたね。

 ただ、前半戦のすべてに満足しているかと言えば、そうでもないんです(苦笑)。ショット自体は安定しましたが、技術面ではまだまだ足りないところだらけだし、ショットの精度についても、ドライバーもアイアンももっと上げていきたいですね。
 さて、ご存じの方もいると思いますが、私は今週ミュアフィールド(スコットランド)で開催される「AIG全英女子オープン」に出場します。アマチュア時代、アジアやアメリカの試合に出たことはあるのですが、ヨーロッパでゴルフをするのは今回が初めて。海外メジャーに出るのももちろん初めてです。
 高校生の頃、家に帰るとケーブルTVで男子の海外トーナメントをよく観ていました。それで自分も海外でのプレーに憧れるようになって、特にメジャーにはずっと出たいと思っていました。その夢がやっと実現するので、すごく楽しみです。

 ただ、コースはすごく難しそうです。アマチュアの頃、よく河川敷のコースに行っていたのですが、リンクスはそれとは全然違いますよね(笑)。先日も男子の「全英オープン」をテレビで観たのですが、「このコースなんなん?」という感じで(苦笑)。
 リンクスはとにかく地面が硬そうなので、手前から転がして攻めるのがいいとは思うのですが、とにかく初めてなので何も分かりません。ポットバンカーも、ボールの位置によってはアンプレアブルにしないといけないかも……。それでも、今はやっぱり楽しみの方が大きいですね。

 メジャーという場で戦えるのはありがたいことですし、自分に足りない部分を知って、学んで、それを次に生かしていけたらいいなと。そのためにも、4日間プレーできるよう頑張りたいと思っています。

山下 美夢有(やました・みゆう)
2001年大阪府生まれ。大阪桐蔭高校3年だった2019年に「関西女子アマチュア」で優勝。同年プロテストに合格。ルーキーとして参戦した2021年早くもツアー初優勝。2022年「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で初のメジャー優勝を飾ると。1カ月後の「宮里藍 サントリーレディスオープン」でツアー通算3勝目。今季メルセデスランキング2位、賞金ランキング1位(ともに7月24日時点)。身長150センチ、血液型A。