去年までとくらべて、なぜ今年好成績が残せているかといえば、フェアウェイキープ率がよくなったのが大きいと思っていて、昨シーズンより5%近く高くなっています。やっぱりセカンドショットをフェアウェイから打つのとラフから打つのとでは大きく違いますし、1ラウンドで見るとはっきり差が出ます。実際、平均ストロークは去年より1打以上よくなっています。それに、カップがグリーンの手前に切ってあったら、フェアウェイから打てないとバーディチャンスにつけるのは難しいですからね。
このドライバーを使い始めたのは、今年の開幕戦からですが、フェアウェイキープ率だけでなく飛距離も伸びています。去年とくらべると7ヤード違うので、かなりの伸びですよね? それに、たとえばツーオンを狙えるホールで「ここはちょっと頑張ろう」という時には強く振りますが、基本的には8割ぐらいの力で振っています。それでも去年より飛んでいるので、やっぱり「ゼクシオ エックス」はいいドライバーです(笑)。
たしかに昨シーズンは最終ラウンドの平均ストロークがかなり悪かったんです(注:73.1471で69位)。それで、「じゃあ体力をつけるしかない」とオフに決心して、まず走り込みをしました。トレーニングも、スクワットや腹筋など下半身と腰回りを鍛えるメニューを、「今までこんなにやったことない!」というくらい、たくさんやりました。
シーズンが始まってからも、試合の日以外は、ホテルの部屋でできることをやっていたら、今年は最終日の平均ストロークが1位(注:69.4349)になって(笑)。去年とくらべると4打近くも違うんです。
ショットが安定しているなというのは、試合中にもメチャ感じます。去年まで、最終日にショットがとんでもなく右に行くことがあったのが、今年はなくなったんです。
それと、去年までは、シーズン中もかなり練習していたので、最終日に疲れが出ていた気がします。だから今年は、「オフにさんざん練習やトレーニングをしたのだから、シーズン中はほどほどでいい」と考えて実行したところ、最終日でも疲れを感じなくなりました。体力がついた上に、長いシーズンを戦うためのペース配分もできるようになったのだと思います。
スイングに関しては、特に去年とは変えていないのですが、7月に入って、「なんだかショットの感覚が違うな」と感じたことはありました。私の持ち球はフェードなのですが、なぜかドローが出てしまっていたんです。その後、ツアーをお休みした期間にいろいろ考えながら練習したのですが、その感覚は変わりませんでした。
今シーズン、私は優勝争いは何度か経験をしています。最終日の17番ホールで池に入れてしまうまではトップと1打差だったとか、「惜しい!」ということが何試合かあって(笑)。
優勝争いに絡んでも緊張することはありませんでしたし、リーダーズボードで自分の順位を見て「まだイケるぞ」と思ったりしたのですが、どの試合もちょっとずつ届かなかった感じでした。だから、ツアーでまだ経験したことのない〝最終日・最終組〟で早くプレーしてみたいですね。
それには、予選ラウンドをどうプレーするかが大事だと思います。私は初日にいいスコアで回って飛び出すことができないために、これもいろいろな人から言われているのですが、「初日、2日目で伸ばせないよね?」と(苦笑)。だから、もっと初日から飛ばしていきたいですし、予選ラウンドで少しでも伸ばしてトップに近い位置につけて、最終日を最終組で迎えられればと思います。
また、優勝するなら、やっぱり4日間競技で勝ちたい。3日間大会で勝つ選手ももちろん強いのですが、4日間大会で勝つほうが、本物の強さという気がするからです。
菅沼 菜々(すがぬま・なな)
2000年東京都生まれ。5歳でゴルフを始め、埼玉栄高3年時の「日本ジュニア」(2017年)で優勝。18年プロテストに合格し、翌19年からツアーに本格参戦。2020~21シーズンにトップ10に5度入る活躍を見せ、初のシード権を獲得。2022年メルセデスランキング12位。身長158センチ、血液型AB。
※ランキングなどのデータはすべて8月28日時点。