D-cafe:ただ、前半はずっとパーが続きましたね? なかなかパットが決まらなかったのでしょうか?
尾関:はい(苦笑)。バーディチャンスにはついていたのですが、雨による中断とかもあって、そこでちょっと集中力が切れかけていたのかなと。
D-cafe:尾関プロの場合、どの時点でプレーが中断したのですか?
尾関:2番ホールのバーディパットを打とうとしていたところでした。3mぐらいのパットだったのですが、プレー再開後に打ったら入りませんでした(苦笑)。
D-cafe:その後、ボギーが先行してしまいましたが、どんな気持ちだったのですか?
尾関:気持ちですか……、特に何も思わなかったです(笑)。バーディは獲れていなかったけれど、〝いつかは来るでしょ〟という感じでした。
D-cafe:たしかに、その後の9番で最初のバーディを獲りましたね。ただ、直後の10、11番では短いパーパットを外しました。パットのフィーリングがよくなかったのでしょうか?
尾関:いえ、どっちも1mちょっとのパットでしたが、自分の思ったところには打てていたんです。でも、結構カップ周りにピッチマークが多くて……。自分では直したつもりなんですけど直し切れてなかったのか、ボールの動きがよくなくて。上手く転がってくれずに、11番はもう本当にピョンと左にはねたんですよね。だから、まあ、しょうがないかなと思いました。
D-cafe:おっしゃる通り、その後、4mとか7~8mのバーディパットが決まりました。やはりショートパットが外れたのをポジティブに考えたのがよかったのでしょうか?
尾関:そう思います。あそこでめげずにプレーできたのがよかったのかなと。
D-cafe:アイアンショットと言えば、やはり、トップに並んで迎えた最終18番ホールの第2打についてお聞きしたいと思います。あの場面では、首位タイの選手が先に打って3mくらいのバーディチャンスにつけました。それを見て、尾関プロはどう思ったのでしょうか?
尾関:優利さん(吉田プロ)はフェアウェイからでしたし、ウエッジぐらいで狙える距離だったので、絶対にバーディチャンスにつけてくるとは思っていました。だから全然驚かなかったです。
D-cafe:当然、自分も近くに寄せようと思ったのでしょうか?
尾関:いえ、私はラフからのショットだったので、とりあえず球を止めることが最優先だと思って、ずっと「どうやって止めよう?」と考えていました。グリーン手前に池があるから、あんまり球を上げすぎて池に落ちても困るしと思って。でも、それしか方法がないと思って、しっかり振り切ることだけ考えました。
D-cafe:第2打で手にしたクラブは『ゼクシオエックス』アイアンの……。
尾関:PWでした。あとでテレビ中継を見たら、52度のウエッジのフルショットと言われていたんですけど、私、52度はバッグに入れてなくて(笑)。だから、PWのコントロールショットで、球を止めようと思ったんです。
D-cafe:フルショットではなく、コントロールショットだったのですね。
尾関:何と言うか、振り切ったのは振り切ったんですけど、フルショットというわけじゃなくて、ラインを出しながら、球を上げることをイメージしました。
D-cafe:ショットした瞬間、〝ドヤ顔〟に見えましたが、感触はどうだったのですか?
尾関:手ごたえはよかったです。芯に当たった感触があったので、うまくスピンが入ったかなと思いました。右からの風だったし、ちょっとドローがかかる感じでしたけど。
D-cafe:実際にスピンがかかって、ピンから1mちょっとのところにピタッと。
尾関:止まりましたね。うまくいきました(笑)。
D-cafe:そして、バーディパットは10、11番のパーパットと同じような距離でしたよね。
尾関:そうなんです。リベンジだと思いました(笑)。それに、10番も11番もスライスラインで、18番も同じようなスライスラインだったから、3度目の正直だと思って打ちました。
D-cafe:そのバーディパットを沈めて優勝が決まったのですが、ラインは読み通りでしたか?
尾関:はい。それに、うまくパッティングできました。
D-cafe:尾関プロは、今年ツアーにデビューしたわけですが、やはり優勝を目標にしていたのでしょうか?
尾関:はい。私は毎年お正月に、同じ岡山県内に住んでいるお婆ちゃんの家に行くのですが、その時にその年の目標を書いて家の中に飾るんです。去年は「プロテストにトップ合格する」と書いて達成できたので、今年のお正月は「レギュラーツアーで優勝する」と書いたんですよ。今年も目標を達成できたので、勝ててよかったと思いました(笑)。
D-cafe:今年のツアーでも、3月、4月は予選落ちが続いた感じでしたが、それほど気にしてはいなかったのでしょうか?
尾関:そうです、そうです。いつものことだと。それで、5月入ってようやく慣れてきた感じでしたね。
D-cafe:5月以降、3度のトップ10フィニッシュがあって、9月に初優勝。自分なりにレベルアップしてきた感じはあったのでしょうか?
尾関:はい。全体的にだいぶよくなってきた感じはありました。ショットも、クラブを替えてからすごくよくなりました。ショットの調子がよくなったのは、クラブを替えたのが一番の理由かも(笑)。
D-cafe:クラブですが、優勝した試合から、ドライバーからハイブリッドまで6本のウッドをすべて『スリクソン ZX Mk II(マークツー)シリーズ』に替えたそうですね。試合ではどれがいちばんよかったですか?
尾関:どれが、ですか? 全部よかったです! ドライバーは飛距離が伸びたし、風に強いなと感じました。FWもティショットなどでけっこう使いましたが、本当に強い球が打てるし、直進性がありますね。
D-cafe:すると、クラブもボールも今回の優勝に役立った感じはありますか?
尾関:はい、それはもう、すごく! 本当にそう思います(笑)。
D-cafe:(笑)。今年はQT上位からのスタートでしたが、優勝したことで残りの試合に出場できます。プレーしたことのないコースでの試合もあると思いますが……。
尾関:はい、そういう試合はたくさんあります。初めてプレーするコースで、初日からいいスコアを出すのは難しいので、初日はちょっと様子見ですね。そこから、だんだんスコアを伸ばせたらいいかなと。
D-cafe:初日からガンガン攻めることはない?
尾関:そうなんですよ。私、アマチュアの頃から初日に爆発的なスコアが出なくて……。優勝した「住友生命~」で、初日に「67」というスコアが出せたのは、去年、アマチュアとして出場してコースを知っていたからです。
D-cafe:では、最後に今シーズンの終盤戦での目標を聞かせてください。
尾関:はい。もっと優勝争いができるように頑張りたいです。
D-cafe:優勝ではなく、まずは優勝争いということですか?
尾関:そうです。いつ優勝してもおかしくないようなプレーを毎週できるのが、本当に強い選手だと私は思っています。なので、優勝できない試合が続いたとしても、ずっと上位にいることが大事だし、まずは優勝を争える位置にいくことをめざします。
■ 住友生命 Vitality レディス 東海クラシック 優勝レポート
→ https://sports.dunlop.co.jp/golf/updates/detail/20220920105729.html
■ 尾関 彩美悠プロのプロフィールはこちら
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