※敬称略
D-cafe:今日はよろしくお願いいたします。まず、みなさんは普段はお互い何と呼び合っているのでしょうか?
星野:僕は〝奈紗ちゃん〟と〝カツラ〟ですね。
桂川:僕は〝陸也さん〟〝奈紗ちゃん〟です。
畑岡:私も〝陸也さん〟と呼んでるんですけど、たまに、学生の頃の名残で〝陸也くん〟と呼んじゃいます (笑)。桂川くんは、そのままか〝有人くん〟ですね。
D-cafe:お二人が初めて会ったのはいつなんですか?
星野:長崎国体(2014年)の茨城代表を決める予選が「宍戸ヒルズカントリークラブ」であって、その時に一緒に練習ラウンドをしたのが最初ですね。僕が高3で奈紗ちゃんは高1だったんですけど、一緒に回っていた、全国高校選手権で優勝したことのある高2の男子を奈紗ちゃんがアウトドライブしたんですよ。それを見て「ハンパねぇ!」と思いました(笑)。
畑岡:あはははっ!
星野:アイアンの番手も、僕と0.5番手しか変わらなくて、5番アイアンで200ヤード飛んでました。
D-cafe:聞くところによると、ゴルフだけでなく、卓球も一緒にやったことがあるのだとか。
星野:そうなんです。コロナ禍になってからですけど、一緒に卓球をやったよね。
畑岡:はい。コロナ禍の最初の頃、外に出られない時期に、私と家族が卓球にハマったんです。その頃に、陸也さんと一緒にラウンドしたあと卓球対決をしました(笑)。
星野:そうそう。僕が奈紗ちゃんのお宅にお邪魔して。何しろクルマで10分かからないので(笑)。
D-cafe:次に星野プロと桂川プロの関係をお聞きしたいのですが、ともに日大出身ですよね。
星野:はい。ただ、僕は1年で辞めてしまったので大学では重なっていないのですが、辞めた後も自分の代が卒業するまでは毎年ゴルフ部の合宿に遊びに行っていたので、カツラのことは知っていました。その学年のツートップの一人で、日大の中でも実力はトップだったので、「すごい選手がいるな」と思って。
桂川:たぶん僕が学生の時には陸也さんとお話ししたことはなかったと思うんですけど、僕がツアーに出始めた時に試合会場でご挨拶して、その後、練習場でたまたま打席が隣同士になったことがあって。そこから、なにかと気にかけてくださいます。
星野:カツラは、僕とはタイプも打ち方も違いますけど、めちゃ上手いです。
D-cafe:聞くところによると、ダンロップの契約プロの中でもお二人はクラブに詳しくて、星野プロが桂川プロのクラブに鉛を貼ってあげたこともあるそうですね。
星野:はい(笑)。クラブについて質問されたら教えてあげるし、お願いされたら鉛も貼りますよ。
畑岡:あはははっ!
桂川:クラブの話は盛り上がりますよね。
畑岡:陸也さんは、本当にクラブのことに詳しいんです。私は逆に知らなさすぎるので、それこそコロナ禍の始まりの頃にいろいろ教えてもらいました。自分で理解しきれていないところはあるんですけど(苦笑)、それでも勉強になります。
D-cafe:そうなんですね。何という大会ですか?
畑岡:タイのアマタスプリングCCというコースで、日本とタイの親善試合「アマタフレンドシップカップ」があって、それに一緒に出場しました。1年だけで終わっちゃって残念だったんですけど。あれって何年だっけ?
桂川:僕が大学2年の時だから2018年だね。日本もタイもプロが中心なんですけど、両チームとも2人だけアマチュアが出ていて、僕はそのうちの一人でした。僕はアマチュアだったので賞金はもらえなかったんですけど(笑)。
D-cafe:その時にお互いのプレーは見たのでしょうか?
畑岡:有人くんと試合でペアを組むことはなかったのですが、練習ラウンドで一緒に回らせてもらって、すごく飛距離が出るなと思いました。それにショットメーカーだなと。
桂川:僕が奈紗ちゃんに抱いた印象も似たような感じですね(笑)。
星野:そうそう。奈紗ちゃんは飛ぶし、曲らない。さっきお話しした、初めて一緒にプレーした時に「余裕でプロの試合に勝つんじゃね?」と思ったら、その2年後に「日本女子オープン」に勝ったんですよ(笑)。
D-cafe:さて、今シーズンはみなさんそれぞれツアーで1勝され、充実したシーズンだったと思います。今シーズンを振り返って、100点満点で自己採点をしてもらえますか? まずは畑岡プロから。
畑岡:私は60点ですね。去年からずっとそうなんですけど、「自分ならもっとできる」という気がしているので。40点足りないのはそういう意味で、それができたら100点になるのかなという感じです。
星野:僕は80点にしようかなと思ったけど、奈紗ちゃんが60点なら70点にします(笑)。30点足りないのは、メジャーで全然成績が残せなかったのと、世界ランク50位以内に入れなかったから。世界ランクは一時、56、57位くらいまで行って、そこからメジャーで活躍すれば50位以内に入れたのに、その目標をクリアできなかったというのが……。賞金王争いでも勝てませんでしたけど(苦笑)、秋に地元で優勝できたのはめちゃくちゃうれしかったし、男子ツアーの「メルセデス・ベンツ トータルポイントランキング」(※)は目標としていたタイトルなので、それが獲れたのはよかったです。
桂川:自分は……80点でお願いします(笑)。
畑岡:60点、70点、80点だね(笑)。
星野:まあ、カツラはホスト大会(ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!)で優勝してるからなぁ。それはポイント高いよ。
桂川:いやぁ、たまたまです。
星野:あの試合で、俺は1打差で負けて2位だったけどね(笑)。
畑岡:あははは!
桂川:(笑)。自分に80点あげてもいいのかなと思うのは、シード権を持っていなくても1勝するというのが最低限の目標で、それをクリアできたからです。残りの20点は、自分でもビックリするぐらい、たくさん優勝争いができたものの、自滅して負けた試合が2つあると思っているんです。だから、それも勝てたら満点だったなという思いはあります。
(※)総合的に優れたプレーヤーを選出するために9部門(平均ストローク、平均パット、パーキープ率、パーオン率、バーディ率、イーグル率、ドライビングディスタンス、フェアウェイキープ率、サンドセーブ率)をポイント換算した順位
《後編につづく》
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