2023/03/31

D-Cafeレポート

《リラックス・トーク》PGAツアーでプレーするために下部ツアーで勝ちたい。日本ツアー2勝目も狙う ~ 桂川 有人 ~

 みなさん、こんにちは、桂川 有人です。いつも温かいご声援をありがとうございます。また、先日は「ジャパンゴルフフェア」での僕のトークショーを見てくださったみなさん、どうもありがとうございました。
 ご存じの方もいるかと思いますが、今シーズン、僕はアメリカの下部ツアー「コーンフェリーツアー」に参戦しています。これまで2試合に出場して(注:3月20日時点)、予選通過は1回。それが2月中旬に南米コロンビアで行われた試合で、実は予選2日目の15番ホールを終わった時点ではカットラインより下にいました。でも、そこからの3連続バーディで「68」で回ってギリギリで予選を通ったら、3日目には「66」というスコアが出せて。最終日はパープレーでしたが、何とか19位タイに入りました。

 僕にとって今年の初戦だった1月の「ソニーオープンin ハワイ」と、コーンフェリーツアーの初戦だった2月上旬のパナマでの試合は予選落ちしてしまったのですが、どちらもショット、パットともに感触はそんなに悪くなかったんです。ただ、嚙み合わせが悪くて、結果が伴いませんでした。
 それが、コロンビアの試合では、2日目、3日目とうまく嚙み合ってくれました。まぁ、予選落ちと紙一重ではあったのですが(苦笑)。
 トップ10には入れませんでしたが、それでも僕にとっては大きな意味があります。僕は去年秋のコーンフェリーツアーの予選会で上位に入れず、開幕前に出場が確定していたのは数試合だけでした。でも、19位タイに入ったことでポイントランキングが上がり、あと3試合は出場できることになったんです。さらに、他の選手やキャディさんの話によると、僕のランキングであればプラス数試合は出られそうです。

 コーンフェリーツアーでは、賞金額ではなくポイントの多い選手が翌年のPGAツアーに昇格できます。だから、予選を通過しても毎回下位で終わるより、一発を狙って上位に入ったほうが有利。もちろん、常に予選を通過できるように、実力を底上げすることも大事なのですが、ゴルフにメリハリをつける必要があります。僕はもともと成績を気にしてプレーするタイプではないので(笑)、あまり結果は気にせずに、今は自分のプレーに集中することを意識しています。

 ゴルフフェアでもお話ししたのですが、今シーズンは新しいクラブでプレーしています。まず、ドライバーは『スリクソン ZX5 Mk II』。これは3月上旬にフィッティングしてもらったのですが、僕にとっては〝過去イチ〟(笑)。それくらい自分にハマりました。まず、構えた時の〝顔〟の見え方がいいのと、クラフトマンの方にライ角とかいろいろ調整してもらった結果、自分がスイングした通りの球が出てくれます。
 自分のイメージと違う球が出てしまうクラブは使いにくいものなのですが、「ZX5 Mk II」は、そういうことが全然ありません。僕の持ち球であるいいフェードが打てるし、距離も出ます。自信を持って振れるのでヘッドスピードが上がって、さらに距離が伸びる感じですね。

 3W も「スリクソン ZX Mk II」です。これは去年の後半戦から使っていますが、実はそれまではスリクソンの3W を使ったことがありませんでした。でも、「ZX Mk II」の3Wを試してみたら、すごく球が拾いやすかったんです。それに、飛距離が出るし、ミスヒットしても飛距離のロスが少ないと感じました。
 僕は、どちらかというと球が上がらないほうなので、「これはいい!」とすぐに替えました。アマチュアのみなさんの中には、フェアウェイウッドに苦手意識がある人も多いと思いますが、「ZX Mk II」はかなりボールが上がりやすいので、一度試してみることをお勧めします。

 そして、アイアンは『スリクソン Z-FORGED II 』。これは去年秋の「ZOZOチャンピオンシップ」から実戦で使っています。それまで初代モデルを使っていたのですが、この2代目モデルはソール幅が少し広くなったと聞いたので試してみました。打ってみると、ボールをヒットしたあと、芝に刺さらずにスムーズに抜ける感じがありました。ソール形状も工夫されていて、それが飛距離の微妙なコントロールにつながるので、とても気に入っています。

 今年は1月から試合に出ているので、シーズンオフというほどの長いオフはなかったのですが、その中でも自分の課題であるショートゲームの練習には時間を割きました。トレーニングに関しては、オフだから鍛えようという発想はやめて、ふだんからコツコツやる考え方に変えました。ウェイトトレーニングもしますが、ストレッチがメイン。関節の可動域が広がれば、その分、飛距離アップにつながりますから。僕は身体が硬いので(苦笑)、トレーナーさんに後ろから背中を押してもらったりしながら、毎日やっています。

 さて、国内男子ツアーがいよいよ開幕しますが、僕はその週はコーンフェリーツアーに出場します。開催場所は南米のチリです。南米での試合はそれが最後で、その後はアメリカ本土での試合が続きます。その間、4月中旬の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」は所属先の試合ですし、去年ツアー初優勝した試合でもあるので出場するつもりです。その翌週の「中日クラウンズ」も、僕とっては地元の試合なので出たいと思っています。

 また、コーンフェリーツアーは10月初旬には終わるので、10月中旬の「日本オープン」あたりからはずっと日本の試合に出るつもりです。もちろん、「ダンロップフェニックス」にも。
 今シーズンは、ここまであまりいい成績を残せていませんが、ゴルフ自体は悪くありません。だから、今は我慢する時なのかなと。感触と結果にギャップがある感じですが、まだシーズン序盤なので、あまり深く考えすぎずにプレーしようと思っています。

 そして今シーズンの目標ですが、日本ツアーで2勝目をめざすのはもちろんですが、海外でも勝ちたいですね。アジアンツアーにも出られるので、出た試合では優勝を狙いますが、めざすのはやっぱりコーンフェリーツアーでの優勝です。僕が今年あのツアーでプレーしているのも、松山(英樹プロ)さんがいるPGAツアーでプレーしたいから。そのためにも、コーンフェリーツアーで勝ちたいですね。

桂川 有人(かつらがわ・ゆうと)
1998年愛知県生まれ。中学卒業後、フィリピンでゴルフの腕を磨き、帰国後、日大在学中に「日本学生」「日本オープン ローアマ」「ネイバーズトロフィー」(団体、個人)など数々のタイトルを獲得。2020年10月プロ転向。21年AbemaTVツアーでプロ初優勝を飾ると、翌年22年「ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」でツアー初優勝。同年の賞金ランキング5位、パーオン率1位。身長167センチ、70キロ。血液型B。