2023/12/25

XXIO製品情報

《 ゼクシオ 13/エックス/13 レディス 誕生への軌跡VOL.3 》レディス=たんなるメンズの軽量モデルじゃない。女性専用設計で、大きく爽快に飛ばす

【VOL.1】革新のフェースと新〝飛びの翼〟。2つの進化で高く、大きく飛ばすドライバー

【VOL.2】飛ばしのキーワードは〝より速く、より高く〟 ~フェアウェイウッド・ハイブリッド・アイアン~

 長年にわたって多くのユーザーから熱烈に支持され、今作が13代目となる『ゼクシオ 13 レディス』(以下、13 レディス)。そのドライバーは、『ゼクシオ 13』『ゼクシオ エックス』と同様に、〝BiFLEX FACE〟(バイフレックス フェース、以下BFF)と、New〝ActivWing〟(アクティブウイング、以下NAW)という2つの新技術を搭載している。
 前者は、フェースのセンターだけでなく、トウ寄りやヒール寄りなどのオフセンターショットでも初速性能を最大化させる、いわば〝芯を広げる〟技術であり、後者はクラウンのヒール寄りに設けた新形状の凸部が空力性能を高め、打点をより〝芯に集める〟技術。両者の組み合わせにより、13 レディスも大きな飛びを生み出すことに成功した。
 ただし、搭載した2つの技術は同じでも、メンズとの違いはある。
「そもそも13 レディスは、13とはヘッド形状を変えていて、バックサイドが大きくなりすぎない設計にしています。アマチュアの女性ゴルファーは、クラブ長が短いこともあって、バックサイドが張り出して大きく見えすぎるのは嫌がる傾向があるからです。また、よりボールがつかまって、簡単に上がるようにしているのもメンズとの違いです」(商品企画担当・佐藤 弘樹)
「形状のほかにも、13 レディスは、13よりもヘッド重量を軽くしていますし、ロフトもクラブ長も女性ゴルファーのための専用設計になっています。それに伴って、メンズとはフェースの肉厚も作り方もおのずと変わってきます」(商品開発担当・小野 貴士)
 さらに13との違いは、感性の領域にも及ぶ。それは、男性にくらべて女性のほうが打球音や振りやすさなどのフィーリングを重視する傾向があるからだ。打球音に関して言えば、女性は男性とくらべると平均的なヘッドスピードも異なるため、聞こえ方が変わってくるという。実打テストをしても打球音に対するフィードバックは多い。
「そのため、打球音に関しては、女性の一般的なヘッドスピードでも心地よい音が出るように設計しています。これは、フェアウェイウッドやハイブリッドにも言えることですが、やはりゼクシオの一貫した技術、コンセプトとして、爽快な打球音は外せません」(商品開発担当・林 和広)
 単に高くするだけだと金属音が強すぎて、爽快な音からは離れてしまう。そのため、高く、かつ爽快に感じる音に仕上げた。13 レディスでは、打球音まで女性専用設計なのだ。

佐藤 弘樹(さとう・ひろき)ゴルフビジネス部 ゴルフクラブビジネスグループ
2008年入社。海外物流やゴルフグローブなどの販売企画などを経て、2018年よりゼクシオのゴルフクラブの商品企画を担当。自身が手がけたゼクシオのモデルとしては今回が3作目となる。

小野 貴士(おの・たかし)商品開発部 クラブ技術グループ
2018年入社。市島工場でボールの生産技術を担当したのち、2022年1月よりゴルフクラブの開発を手がける。13代目ゼクシオではヘッド開発を担当。

林 和広(はやし・かずひろ)商品開発部 クラブ技術グループ
2011年入社。以来、ゼクシオ、スリクソン、クリーブランドのゴルフクラブの開発を担当。中国のクラブヘッド工場駐在を挟み2022年より現職。13代目ゼクシオではヘッド開発を担当。

「13 レディス」のドライバーは、デザイン面でもレディスゴルファー向けならではの味付けを加えた。機能性を重視したメンズに対し、女性らしさ、上品さを意識し、機能性と可愛らしさを両立したデザインを採用したのだ。それが顕著に表れているのがクラウンである。
「今作の13 レディスのデザインコンセプトを〝Chic(シック)〟に設定しました。〝上品〟とか〝粋〟〝洗練された〟といった意味ですが、転写マークにもチャームを想起させるアイコニックなデザインを採用し、ソールのバッヂもジュエリーっぽくしていて、マットな質感と合わせて、シックなイメージで統一しています」(デザイン担当・後藤 夏穂)
 そして、フェアウェイウッドとハイブリッドもドライバーと同様、女性専用設計がなされているが、その開発には、ドライバーそれ以上に困難が伴ったようだ。
「それは、メンズにくらべてヘッド重量が軽いからです。そのため、余剰重量を捻出しにくくなるのですが、そんな条件下でも低重心化を狙う必要があったので、どこに重量を配置するかは、かなり時間をかけて検討しました」(小野)
 その結果、メンズと同様に、ヘッド内部に設けた大砲型の厚肉部分・New〝CANNON SOLE〟(キャノンソール)を搭載。ソールのフェース付近の薄肉部分を広くしてボディもたわませて初速性能を高めつつ、これまでに以上に重心を下げることに成功した。これにより、女性の一般的なヘッドスピードでも、鋭く飛び出して、高く上がる球を打つことができる。
 少ない重量の中でいかに工夫をこらし、女性向けの仕様にするか。それは、ヘッドだけでなくシャフトも同じである。女性はパワーの点でどうしても男性に劣るため、シャフトでスイングをアシストしてあげる必要がある。
「軽量化技術は、歴代のゼクシオが築き上げてきた強みの一つなのですが、総重量を非常に軽くしつつ、メンズ以上にしならせてあげないといけないレディスのシャフトは、ある意味、軽量化技術の結晶と言えます。体力のない女性でも、振れば男性と同じように〝飛び〟〝打ちやすさ〟〝爽快感〟を感じていただけるものを作り上げるのは、単に軽くするのとは一線を画すダンロップならではの技術です」(佐藤)
 そうして女性専用に開発された純正シャフト「ゼクシオ MP1300 L カーボン」は、メンズにくらべ手元側を軟らかく設計し、ヘッドが走りながらもスイングの安定化をサポートしてくれる。

後藤 夏穂(ごとう・なつほ)商品開発部 デザイン企画グループ
2022年入社。前職のスポーツメーカーでは研究、開発などを担当。現在は、ゼクシオのクラブ、ボール全般のデザインを手がける。

「レディス アイアンも、フェアウェイウッド、ハイブリッドと同じで、メンズよりも軽くしないといけません。なおかつ、重心を下げるために、いかに余剰重量を生み出すかという点については、メンズ以上にシビアになってきます。そこは、今作の13 レディス アイアンで非常に苦労したところですね」(林)
 飛距離、とりわけキャリー飛距離のアップを第一に考えるのは、メンズのアイアンと同じ。そのために、開発に当たっては、フェースの高初速エリアを打点位置に近づけつつ、低重心化して球を上がりやすくすることを狙った。そのカギとなる余剰重量を捻出するために、13 レディス アイアンでは、では「13 アイアン」と同じ4ピース&軽量・薄肉チタンフェースという構造を採用した。
「女性の一般的なヘッドスピードでもフェースが十分にたわむように新設した溝や薄肉フェースは、大きな余剰重量も生み出します。その余剰重量をトウ側下部のウエイトに分配することで低重心化を達成し、女性でも球が楽に上がりキャリー飛距離を伸ばすことができました」(林)
 また、デザイン面では、バックフェースのバッヂを、メンズと同じく立体的な構造にした。
「NEWゼクシオ シリーズは〝高級感〟が全モデルに共通するデザインコンセプトなのですが、〝遊び心〟をクラブ全体で感じていただけるデザインをめざしています。いかにもゴルフクラブという感じではなく、ひねりやギミックが利いているところが、ゼクシオと他のクラブとの違いだと思っています」(後藤)
 このように性能だけでなく、外観も女性ゴルファーの感性を意識して開発された「ゼクシオ 13 レディス」。最後に、今回プロジェクトリーダー的な存在の佐藤に、自身が考えるNEWゼクシオ シリーズの魅力について改めて聞いた。
「今回はメッセージの一つとして"For All Golfers"というものを掲げています。これは年齢や腕前を問わず、すべてのゴルファーにゼクシオの〝飛び〟〝打ちやすさ〟〝爽快感〟を感じていただきたいという私たちの想いを込めています。それは新しいゼクシオを使って早くも優勝した青木プロや菅沼プロ、試打で非常に高く評価いただいた松山プロなどトッププロも実証してくださっています。つまり、新しいゼクシオはすべてのゴルファーに恩恵のあるクラブなのだと。13、エックス、13 レディスと、それぞれのゴルファーの特性に合わせて、持てるすべてを注ぎ込んで作ったので、そこを見ていただきたいですし、数値だけではない、ゼクシオならではの爽快感や気持ちよさを感じていただきたいですね」

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