2023/12/26

D-Cafeレポート

《 リラックス・トーク 》自分らしいプレーができた2023年。来年は海外でもしっかり結果を残したい ~ 山下 美夢有 ~

 みなさん、こんにちは。まず、今年もたくさんの温かいご声援や応援のメッセージをどうもありがとうございました。おかげさまで、今年も年間女王になることができました。今日はこの1年を振り返って、いろいろお話ししたいと思います。
 私は昨年初めて年間女王になれましたが、新しいシーズンを迎えるに当たって、特にそれを意識することはありませんでした。たしかに年間女王を獲れたのはよかったですし、自分でもスゴいことだなとは思いました。でも、去年は去年で、今年はまた新しいスタートだと切り替えて、今年も自分らしいゴルフができるようにと考えていました。

 そうして新しいシーズンが始まって、6試合目で1勝目ができて、前半戦で4勝することができました。すごくいい流れでスタートできて、自分らしいプレーもできていたと思います。ただ、7月から8月にかけて海外のメジャー3試合に出て日本に帰って来てからは、なかなか調子が上がらない状況が続きました。でも、そこからしっかり修正することができて、最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で優勝することができたし、それが年間女王にもつながりました。だから、シーズン全体を振り返ると、いいプレーができたかなと思うし、満足のいくシーズンだったと思います。

 今年特に印象に残っているプレーを挙げるとしたら、最終戦の最終日・16番パー3のティショットです。試合をご覧になった方は覚えているかもしれませんが、あの日はカップが右手前に切ってあって、持ち球がドローの私にとっては、すごく難しいピンポジションだったんです。そんなピンに対して、6番アイアンでしっかりいいスイングすることができて、1メートル以内のバーディチャンスにつけることができました。あのホールのバーディでいい流れつかめて、去年に続く優勝を決めることができた気がします。

 メルセデス・ランキング以外にも、去年に続いていくつかのスタッツで1位になることができましたが、その中でも私自身すごくよかったなと思うのは平均ストロークで、去年に引き続き60台(注:69.4322。2年連続60台は国内女子ツアー史上初の快挙)で回ることができたのはうれしかったですね。
 一方で、ちょっと悔やまれるのが3パット率。私が毎年目標にしているのが3パットを減らすことで、3パットを打たないようなゴルフを心がけてプレーしているので、この順位がよくなかった(注:8位)のは少し悔しいですね。

 スタッツに関しては、スリクソンのクラブのおかげも大きかったように思います。まず、ウッドもアイアンも形がすごくフィットしているというか、私の好きな形をしています。『スリクソン ZX5 Mk II』アイアンについては、ボールを打った時の音もすごく好きで、自分がいい打ち方をできた時とできなかった時の音の違いがわかるんです。それが気に入っています。
 ドライバーも、去年の途中から『スリクソン ZX5 Mk II』を使っていますが、このドライバーに替えてから、飛距離にバラつきがなくなって方向性もすごく安定するようになりました。おかげで今年は去年よりフェアウェイキープ率がかなり上がって1位になることができたので、本当にクラブに助けられているなと感じます。

 1年間を通して安定した成績を残すことができたのは、1試合が終わったあとの気持ちの切り替えが上手くできたことも大きかったと思います。私の場合、リフレッシュの方法はやっぱりご飯(笑)。女子ツアーは本当に毎週試合があるし、疲労回復もとても大事ですが、それには、いろいろな地方に行って地元の美味しいお店を探して、その土地の美味しいものを食べるのがいちばん。お肉も好きですけど、とにかくいろいろなものを食べています。それで気持ちの切り替えもできるし、「今週の試合も頑張ろう!」と思えるんです。

 国内での成績には満足している一方で、残念ながら海外では思うような成績を残せませんでした。今年は、海外でも結果を出したいという気持ちが強かったのですが、なかなか自分らしいプレーができなかったですね。海外メジャーに出たことで、自分のスイングとリズムを乱してしまったし、体調も崩してしまいました。体調は後半戦に入ってからもよくなくて、ベストなコンディションで迎えられなかった試合がありました。やはり海外の試合の前後はすごく移動が長くて、体調を崩したのもそれが原因の一つだと思います。その反省を生かして、このオフはしっかりトレーニングをして、1年間戦える身体を作りたいですし、身体ももうちょっと大きくしたいなと思っています。

 オフの練習に関しては、もう何年もやることは変えていないのですが、今回も100ヤード以内の練習を多めにして、いろいろな状況でのパッティング練習なんかもたくさんやれたらいいなと思っています。

 そして2024年シーズンの目標ですが、国内では、まずは1勝できるように頑張りたいと思っていますし、私らしいゴルフで、JLPGAツアーを盛り上げていけたらと思います。また、海外については、メジャーは5試合すべて出ようと考えています。それに向けて、今からきちんと準備をして、体調管理もしてベストなコンディションで臨んで、悔いの残らないようにプレーしたいですし、来年こそはしっかり結果を残したいと思っています。また、来年は8月にパリでオリンピックがあって、それにも出られるチャンスがあります。オリンピックは私にとっても特別なので、ぜひ出たいですし、そのためにも開幕から毎試合上位で戦えるように頑張りたいと思っているので、みなさん、来年もご声援と応援をよろしくお願いします。
 最後になりましたが、今年も1年間ありがとうございました。みなさん、どうぞよい年をお迎えください。

山下 美夢有(やました・みゆう)
2001年大阪府生まれ。5歳でゴルフを始め、大阪桐蔭高校時代に「関西高校ゴルフ選手権」「関西女子アマ」などのタイトルを獲得すると、同校3年時にプロテスト合格。20~21シーズンにツアーに初参戦し、21年に早くもツアー初優勝を飾ると、22年には年間5勝を挙げ史上最年少で年間女王に。続く23年も年間5勝を挙げ、2年連続で年間女王に輝く。ツアー通算11勝(うちメジャー3勝)。身長150センチ、血液型A。