「毎年開幕戦で計測していて、38m/sに届くか届かないかだったのが、トレーニングの成果なのか、いきなり39.6 m/sという数字が出たんです。その違いが弾道の高さにも出て、アイアンも含めて打ち出し角が高くなったし、周りの選手やキャディさんも『いい球を打つようになったね』とか『去年より完全に飛んでるよね』と言ってくれます。開幕戦でも、去年より短い番手で打てている感じはありましたね」
そうした飛距離のアップは当然、攻め方にも変化を与えているそうで、
「体感でもキャリーが5ヤードぐらい違うので、今までできなかった谷越えをショートカットで狙えそう。放物線自体が高くなると、バンカーとか、ハザードを超えられるので、楽しみな部分が多いです」
と青木プロ。ヘッドスピードが速くなったことで、スイングのタイミングが上手くとれないことはあるものの、プレーの幅の広がりには手応えを感じているようです。
昨年は自身初のシーズン2勝を挙げ、年間ランキングでもキャリアハイの12位にランクインした青木プロ。そうして迎えたプロ14年目のシーズンは、どんな目標を持っているのでしょうか。
「昨シーズンが終わってから、いろいろなところで〝(2024年は)年間3勝・獲得賞金額1億円〟とお話ししていて、それは今も変わりません。ただ、やっぱり年々実力のある若い選手がどんどん出てきて、競争率の高い女子ツアーの中では、複数回優勝すること自体、難しいことなので、まずは1勝することを目標にしたいと思います」
そして、それを達成するために青木プロがポイントに挙げるのが、数多く優勝争いに絡むこと。
昨シーズンは、2位に2度入賞したほか、年間を通して安定感のあるプレーを見せ、年間ランキング35位となり自身初のシード権を獲得した安田 祐香プロ。まずはシードプロとなったことについて聞いてみると、
「去年の秋には、ほぼシードが確定したので、そのあとの試合はすごく楽な気持ちでプレーできました。それ自体はよかったのですが、次にどんな目標を立てていくのかみたいな悩みはありましたね。もちろん、優勝は目標にしているんですけど、周りからの〝じゃあ、次はもう優勝だね〟みたいに期待も高くなっていくのが、また新しいプレッシャーというか(苦笑)。それはそれで大変だなと思いました」
と、複雑な胸の内を明かしてくれました。さらに、初めてシードプロとして迎えたシーズンオフの練習について聞いてみると、
納得のいく状態で開幕を迎えられなかったと話す安田プロ。その分、試合期間中もラウンド後の練習には熱が入っているようで、
「ツアーでは、1試合が終わってもすぐに次の試合が始まるので、心と体を休めながら調整する必要があると思うのですが、やっぱり不安要素があると、それを解決してから次の日を迎えたいんですよね。だから、毎日去年より断然たくさん練習しています(笑)」
ただ、その一方で、「練習しすぎると疲れが出そうなので、体調によっては休みを挟むことも考えて調整できるようになりたいです」とも話し、リランキングを気にせずに戦えることが、心のゆとりにつながっているようです。
そんな安田プロにも、今シーズンの目標を聞いてみました。
昨シーズン、念願のツアー初優勝と2勝目を達成した菅沼 菜々プロ。特に10月の2勝目は『ゼクシオ エックス ドライバー』を実戦投入して即優勝という快挙でした。そんな活躍もあり、今季新たにゼクシオアンバサダーに就任。そのことについて、
「ゼクシオアンバサダーは、これまで(青木)瀬令奈さんと(安田)祐香ちゃんしかいなくて、誰でもなれるわけではないと思うので、私もその一人に選ばれたのはすごくうれしかったです」
と感慨深けに話します。ちなみに菅沼プロとゼクシオの出合いはアマチュア時代。フェアウェイウッドから使い始め、プロ入り後はドライバーもゼクシオにスイッチし、昨年8月のツアー初優勝もゼクシオでの達成でした。
昨年は2勝を挙げたこともあり、年間ランキング11位、獲得賞金も初の1億年越えと大活躍を見せた菅沼プロ。さらなる飛躍を期して、シーズンオフにはどんなことに取り組んだのでしょうか。
さらに、シーズンオフに行った練習について尋ねると、こんな答えが。
「100ヤード以内のアイアンショットの練習を多くやりました。それと、トラブルになった時にどうやって対応するかという練習もしました。たとえば、木の枝の下を低い球で抜くとか、バンカーショットを、スタンスはバンカーの外という状況で打つとか、そういうイレギュラーな練習も今回はかなりしました。そういう経験をしておくのとしないのとでは、試合でかなり違うので。いろいろな状況に対応できるように、ですね」
そうして迎えたプロ7年目のシーズン。開幕からここまでの自身の調子について聞いてみると、
「自分の中でまだ成績と結びついていないけど、ショットの感触は去年よりすごくいいなと思っています。去年も前半戦はあまり成績がよくなかったので、焦らずに待っていれば結果がついて来るかなと思うのと、さっきもお話ししましたが、このオフは例年以上にアイアンショットを練習したので、それがスコアに結びついてきたら、いい感じになるかなと。パットも、実はオフのあいだずっと感触が悪くて、「前はどうやって打っていたんだっけ?」とすごく悩んで、開幕してからも自分を信じきれないまま打っていたのですが、鹿児島での試合からすごく感触がよくなりました。私は難しいコースのほうが得意なので、ここから頑張っていきたいです」
と、調子も気持ちも上向いている様子。そして今シーズンの目標について、
「3勝です。去年2勝したので、それ以上が目標です。あとは年間女王を目指したいです。3勝できたらチャンスありだと思うので。それと、安定感のあるプレーも目標で、勝っても負けても常に優勝争いができるような、安定感のある選手でいたいです」
と力強く話す菅沼プロ。ゼクシオアンバサダーとしての初優勝を楽しみに待ちましょう。