ツアーでのベストフィニッシュ:ANAオープンゴルフトーナメント(2022年) 6位タイ
僕は昨年9月のABEMAツアー(男子下部ツアー)「エリートグリップチャレンジ」で優勝することができました。JGTOの試合としては初優勝で、シーズンの賞金ランキングで7位に入ったことで、今年のツアー前半戦の出場資格を獲得しました。
僕自身はいたって平均的なゴルファーだと思っているのですが(笑)、強いて言うならショットは全般的に得意です。ドライバーはけっこう好きなので苦手ではないですし、アイアンも、ロングアイアンになると微妙ですが(苦笑)、7番から下の番手なら自信があります。
課題はグリーン周りとパッティングですね。ここ数年の自分のゴルフを振り返ると、ピンまで寄せきれなかったり、バーディチャンスにつけてもパットが入らなかったりということが多かったので、そこをもう少し何とかしたい。それには、もっと練習するしかないんだと思いますけど。
ボールとクラブは、小学校4年生ぐらいからずっとスリクソンを使っています。現在使っているのは『スリクソン Z-STAR ♦️(ダイヤモンド)』。以前は「Z-STAR XV」を使っていたのですが、ある時にパターを替えたらフィーリングが変わってしまって、インパクトで時々気持ち悪さを感じることがあったんです。
それで、やわらかいボールに替えるか、パターを替えるか悩みました。ただ、やわらかいボールにすると、他のショットの感覚も変わってしまうので微妙だなと思っていたら、ちょうどそのタイミングで初代の『Z-STAR ♦️(ダイヤモンド)』ができて、パットで試してみたらすごくフィーリングがよかったので替えました。それで、今のモデルになってからも使っています。
『Z-STAR ♦️(ダイヤモンド)』はアプローチの打感もいいので気持ちよく打てるし、ドライバーやアイアンのフェースへの食いつきもいいので、トータルで見て自分に合っているボールだと感じています。
出身が名古屋で、中学、高校が福井工業大学附属という僕の経歴は、同じダンロップ契約の小木曽(喬プロ)さんと同じで、小木曽さんは僕の2年先輩です。
日大では有人(桂川プロ)と同期で、3年の時には「日本アマ」で優勝できたのですが、当時は正直日本アマで優勝できるほどの実力はなかったなと思っています。プレーしているうちに(優勝を)狙える位置につけられたので、そこからは優勝をめざしましたが、それまでは「いいプレーができたらいいな」ぐらいの感覚でいました。だから、勝った時も、日本一になったという感覚は全然なかったですし(苦笑)、「自分よりもっと上手い人がいっぱいいるよな」と思っていました。
ただ、あのタイトルを獲れたことで、将来が見え始めたというか、「プロとしてやれるかもしれない」と思い始めました。それまでは、「プロとしてやっていくのかな」と曖昧に考えながらも、「こんなんでプロとしてやっていけるものなのかな」という不安もあったんです。でも、あの優勝をきっかけに、未来というか、自分が進んで行く道が決まっていったように思います。
同じ2019年のツアー「トップ杯東海クラシック」で12位タイに入ってベストアマになれたのですが、翌年以降は苦しみました。そもそも僕は練習量が全然足りていなくて、大学時代も週に2日ぐらいしか練習していませんでした。2020年は大学4年生だったのですが、コロナの影響もあって試合が減り、練習量も少ないままだったので、確実にゴルフが下手になっている感覚がありました。その年の秋にプロ転向しましたが、翌年は3試合しか出られませんでした。
それで地元の名古屋に戻ったものの、練習しても全然上手くなる感じがなくて、自分のやっていることが正しいのかどうかも分からなくなってしまって……。悩んだ末に、日大ゴルフ部のコーチでもある内藤雄士さんに相談して、東京に戻って内藤さんの下で練習するようにしたら、徐々にですが、「あぁ、この練習でいいんだ」とか、そういうことが分かってきました。内藤さんに教えられたことをやることで練習量が増えたし、決まったことをきちんとやるという習慣も身についたので、そこは自分なりに成長できた部分かなと思います。
レギュラーツアーの開幕戦から出場できたのは今年が初めてですが、ツアー自体には、一昨年に9試合、昨年は7試合にそれぞれ出場しています。ツアーとABEMAツアーをくらべると、コースよりもプレーヤーに違いを感じます。ツアーの選手は、目の色が違うというか、より真剣勝負をしている感じがして、どこか和気あいあいとしているABEMAツアーとはそこが違う気がしますね。なので、ツアーで活躍するために、僕もこれまで以上に強い気持ちでプレーしようと思っています。
木村 太一プロのプロフィール、戦績はこちら。
ツアーでのベストフィニッシュ:東建ホームメイトカップ(2024年) 2位
去年は、僕にとってとても中身の濃い1年でした。
6月に開催された「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」でABEMAツアー初優勝を飾ることができて、翌月の「南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメント」にも勝って2試合連続優勝。その結果、歴代最高の賞金額で賞金王になれました。
なぜ、そんな好成績を残せたのかと言えば、2022年~23年のオフにしっかりトレーニングをした成果だと思います。肉体改造というほどではないのですが、かなりトレーニングをしたことで飛距離が出るようになりました。前の年にくらべたら、ドライバーのティショットは平均で15ヤードは伸びたと思います。僕はもともと曲がらない方だったのですが、飛距離がウィークポイントでした。それが、飛距離も出るようになったことで、より戦いやすくなった感じがすごくあります。
それに、トレーニングをしたことで、連戦が続いても戦える体力もつきました。スイングを変えたりしたわけではないので、やはり体を強くしたのが、いちばん大きな変化であり、結果を残せた大きな要因だったと思います。
6月の優勝は、プロになってから初めての優勝だったので、もちろんうれしかったのですが、その前から手応えも感じていました。オフのトレーニングで距離が伸びたことで、「今年は優勝してもおかしくないだろう」と自分の中で思っていたので、「やっぱり勝てた」という感覚もありましたね。
ABEMAツアーの賞金王になると、翌年はレギュラーツアーに1年間出られるので、もちろん賞金王はうれしかったのですが、実はシーズン中はあまり意識になくて、それよりシーズン3勝目を狙っていました。ABEMAツアーでシーズン3勝すると、即レギュラーツアーに昇格して翌週から試合に出られるからです。
それと、レギュラーツアーでシード権が獲れれば、ABEMAツアーの賞金王よりも、ツアー出場の優先順位が高くなります。だから去年の終盤は、両ツアーの試合が重なった週はレギュラーツアーを優先して出場していました。最終的には賞金ランキング71位で、シード権にはあと少しで手が届かなかったのですが、振り返ればやはり充実したシーズンだったと思います。
僕の「生源寺」という名字は、滋賀の比叡山の麓にあるお寺が由来です。京都に住んでいた学生時代(同志社大学)に一度行きましたが、天台宗の開祖である最澄が生まれた由緒正しいお寺なのだそうです。僕の実家はお寺ではないんですけどね(笑)。ちなみに、〝しょうげんじ〟と呼ぶのは長すぎるのか、僕は昔からニックネームが〝げんじ〟で、プロ仲間からもほぼそう呼ばれています。
山口県で生まれ育ちましたが、高校は岡山作陽に進みました。卒業生にはプロゴルファーも多くて、ダンロップの契約プロでは東浩子さんが先輩です。
『Z-STAR ♦️(ダイヤモンド)』にスイッチしたのは、アイアンショットでもう少しスピン量が欲しかったから。今年参戦しているアジアンツアーは硬いグリーンが多いので、ボールが止まりにくいんです。それで、スピン量を研究してみて、まず、アイアンのクラブでスピン量を増やすことを考えました。そして、次はボールでも試してみたらいいんじゃないかというので、アイアンで『Z-STAR ♦️(ダイヤモンド)』を打ってみたらスピンが400~500 rpmぐらい増えたので、これはいいんじゃないかと。実際に試合で使ってみても、『Z-STAR ♦️(ダイヤモンド)』はすごくいい感じで、硬いグリーンでも止まってくれます。
アジアンツアーには、本当は去年もチャレンジしたかったのですが、それができなかったので、今年は何があっても挑戦すると決めていました。それで、今年1月にタイで行われた最終予選会で2位に入ることができて、2月から試合に出場しています。
アジアの試合で感じるのは、フィールドのレベルが高いということ。予選カットラインが、自分が予想していたより1打か2打は確実に高いんです。本当に選手層の厚さを感じるし、コースもいろいろなタイプがあるのですが、バーディが獲れそうなホールはもうみんな獲ってくるみたいな印象がありますね。
それと、日本ツアーでは、僕のドライビングディスタンスは平均か平均よりやや上ぐらいなのですが、アジアに行くと平均より下になってしまうので、そこはもう少し改善していきたい。それと、コースにもよりますが、僕は100ヤード以内とか、ウエッジゲームがけっこう得意なのですが、ショートゲーム、リカバリーもしっかりやっていきたいと思っています。いろいろな芝への対応とか、クラブの調整もそうですが、まだまだできることはあるんじゃないかと。
国内ツアーもこれから試合が続くので、とにかく1戦1戦しっかり戦っていきたいと思います。序盤からしっかりいいゴルフをして、来年のシード権を確定させたら、アジアにも気兼ねなくいけますし(笑)。せっかくプレーできるチャンスなので、日本でもアジアでも頑張りたいですし、本当に世界中を飛び回ってゴルフがしたいです。
生源寺 龍憲プロのプロフィール、戦績はこちら。
ツアーでのベストフィニッシュ:フジサンケイクラシック(2021年) 20位タイ
まず、自己紹介からさせてもらうと、僕は2歳でゴルフを始めました。10歳上の兄(注:稔さん)もダンロップの契約プロなのですが、ゴルフを始めたのは僕のほうが先でした。
プロになろうと思ったのは中学生になってからです。柔道とか、他のスポーツもやったのですが、いちばん夢中になったのがゴルフだったし、父がゴルフ好きだったこともあって、自然とプロをめざした感じですね。
高校を卒業した2016年にプロテストに合格して、今年の夏で27歳になるので、それなりにキャリアは長くなりましたね(笑)。プロになったのは兄のほうが先ですが、ゴルフ歴は僕のほうが長いので、ゴルフに関しては兄の影響は受けていないです(苦笑)。
ちなみに兄は、今ではQTにしか出ませんが、「フジサンケイクラシック」には推薦で何度か出場したことがあります。僕は、同じ年の大会に出たことはないのですが、他の試合のマンデートーナメントには一緒に出場したことがあります。僕がプロ転向する前の「ANAオープンゴルフトーナメント」で、兄は通過したけど僕は落ちてしまったので(苦笑)、本選では僕がキャディをしました。
僕は、一昨年のサードQTを通過できなかったことで、去年は、ABEMAツアーも序盤戦は出られませんでした。それで、6月になってようやく自分にとっての初戦を迎えました。それが芥屋ゴルフ倶楽部での「LANDIC CHALLENGE 10」で、僕は前の年の大会で2位タイに入った資格で出場することができたんです。シーズンの初戦なので、とりあえず上位に入って、次の試合にも出られたらいいなという気持ちでいたら、なぜか調子がよくて、首位タイでホールアウトして、プレーオフに勝って優勝してしまいました(笑)。
僕にとってもまさかの優勝で、プロとしての初優勝だったのですごくうれしかったですね。その後はトップ10に入ることはできなかったのですが、優勝したのが大きくて、賞金ランキング10位に入って、今年のレギュラーツアー前半戦の出場権を獲得することができました。
ツアーに本格参戦するのは初めてなので、それが決まった時にはもちろんうれしかったのですが、それよりも。「QTを受けなくていいんだ」ということがまず頭に浮かびました。とにかくQTは苦しい戦いですから。
去年、僕はABEMAツアーでイーグル率が1位タイだったそうなのですが、そんなにイーグルを獲った実感はないんですよね(苦笑)。以前は僕も飛ぶほうだと思っていたけれど、最近はみんな飛ばしすぎというくらい飛ばしますからね。ただ、僕もヘッドスピードはそれなりにあるし、昔とくらべて飛距離は落ちていないので、平均よりは飛ぶほうだと思います。
自分のゴルフの特長をよく聞かれるのですが、ティショットは昔ほど飛ばす自信がないし、パットもあまり上手いとは言えないんですよね。すごく強気のゴルフをする、というわけでもないですし(笑)。でも、あえて挙げるなら、アイアンは番手に関係なく得意かなと。ただ、ツアーで戦っていくなら、もっと精度を高めてパーオン率も上げていかないといけないなと思っています。ちなみに、一平さんの紹介で知り合って、ツアーでも何かと僕を気にかけてくれる塚田さん(陽亮プロ)からは、「奨はダイナミックなゴルフをする」と言ってもらっています(笑)。
今年、僕は初めてツアーに本格参戦しているわけですが、コースに関してはABEMAツアーもレギュラーツアーも、そんなに変わらないんじゃないかと感じています。雰囲気は全然違いますが、ABEMAツアーのコースでもラフが長いことはあるし、セッティングがツアーに近づいていて、それほどやさしくはないですからね。
長澤 奨プロのプロフィール、戦績はこちら。