2020/09/30

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2020 9月号

住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、プレーヤーの好みやグリップのスタイルに細かくマッチするよう、以前から人気のウェットタイプオーバーグリップ【TOUR-TAC】(スリクソンSTA-2350と同仕様)に加え、タイプの異なる3モデルを追加ラインナップします。

グリップは、プレーヤー自身のパワーをラケットへと伝えるために唯一存在する重要な「ジョイント部」です。ラケットフレームやストリングには気を遣うのと同じように、オーバーグリップも、自分自身がもっとも気に入って使うことのできるものをしっかり選んでみてはどうでしょうか!

ダンロップ/スリクソンではこれまで、もっとも需要が多い「ウェットタイプ」を2タイプを販売ご愛用者には長くご指名買いいただいてきたロングセラーです。

しかし、ブランド統一し、【CX】シリーズ・【SX】シリーズ・【FX】シリーズのラケットフレームをラインナップして、あらゆるスタイルに対応するというコンセプトのダンロップとしては、オーバーグリップでも同様に、プレーヤーの多彩な好みに応じたラインナップをするべきと考え、新たに3タイプを追加発売を決定したのです。

オーバーグリップは、テニス道具の中でもとても「安く・手軽」に扱えるカスタマイズアイテムです。手のひらの汗による滑りを抑え、グリップのパワーが確実にインパクトへと伝わるようにしてくれる、今となっては「必須アイテム」ともなっています。昔は天然レザーグリップの上に巻いていましたが、十分にグリップ性能が高いシンセティックグリップが巻かれている現在でも、その上にオーバーグリップを巻いています。なぜでしょう?

それは「手軽に交換できる」からです。オーバーグリップは消耗品ですから、性能寿命を迎えたらどんどん新品に巻き替えていくことができるのが最大のメリットです。オーバーグリップの命は「表面ポリウレタン層」です。この層が剥げたり劣化したものには価値がありません。安価なオーバーグリップですからこまめに巻き替えを行ない、フレッシュな状態に保って、つねに自分の最高パフォーマンスを発揮できるようにしましょう。

さて、競技者に多く愛用されているダンロップとして、まず注目したのが「ドライタイプ」です。40年近く前にオーバーグリップがブレイクしたのもドライタイプでしたし、いまだに競技者にはドライタイプ愛用者が少なくありません。そこでダンロップは、2タイプのドライ系オーバーグリップを発売します。

まず一般的なドライタイプのサラサラ感を残しながら、テープ全体に均一なウレタンコーティングを施すことで、耐久性を向上させたのが【U-SWEAT】(ユースウェット)です。紙っぽく、疎らに塗布されたウレタン素材は剥がれやすくて、すぐに劣化を感じさせますが、【U-SWEAT】はウレタンコーティングが剥がれにくく、長持ちします(でもこまめに巻き替えましょう)。

そして、もう少しだけ吸い付き感のあるフィーリングに仕上げたのが「セミドライ」タイプの【VIPER-DRY】(バイパードライ)です。手のひらに吸い付いてくれる感じはほしいけど、ペタペタくっつきすぎるのはイヤだ!というプレーヤーには最適の握り心地です。テープ表面には細かな吸汗孔が設けられ「ドライでもない、ウェットでもない、独特のフィーリング」で、グリップチェンジもしやすい仕上がりです。

そして「ズバリ、ウェットタイプ!」なのが【GECKO-TAC】(ゲコタック)です。ダンロップメンバーの中には聞き覚えのある方もいらっしゃるでしょうが、2010年に発売された【BIOMIMETIC】(バイオミメティック)シリーズに採用されたグリップで、ザラザラな壁でも平気で上ってしまう「ヤモリ」の手足のメカニズムを応用するという着想で開発されたものでした。

ということは「ウェットタイプが2モデルあるじゃないか」ということですが、その違いについて説明しましょう。まず【TOUR-TAC】はテープ幅が「28mm」で、表面の光沢感が抑えめで落ち着いた感じ。いっぽう【GECKO-TAC】はテープ幅が「25mm」で、ウェットっぽい光沢感が強く、伸縮性も微妙に増しています。

「テープ幅が違うと何がどうなるの?」という疑問をお持ちのメンバーもいらっしゃるでしょう。巻いた状態で比べてみると一目でわかるのですが、「巻き数が違う」、つまりテープとテープが重なる部分が多くなるわけです。この違いは、実際に握った感じの「好み」になりますが、重なりによる凸凹感(非常にわずかな感触ですが)があったほうが好きという場合は「25mm」を。逆にできるだけフラットな感じが好きという方は「28mm」を選ばれるのがいいと思います。
また厚みにも違いがあります。【TOUR-TAC】 は厚み0.6㎜で【GECKO-TAC】 は0.5㎜ですので、あまりグリップを厚くしたくない方には【GECKO-TAC】 がお勧めです。ウェット感が強いのをお求めの方は、【TOUR-TAC】がお勧めです。
まずは実際にグリップに巻いて「握り試して」みてください。使ってみたうえで「自分にとってベストなオーバーグリップはどれか?」を発見し、快適かつ、実力を存分に発揮できるグリップ環境をゲットしましょう。全モデルに「1本入り」と「3本入り」のパッケージが用意されていますので、まずはお試しに「1本入り」を4種、使い較べてベストを決め、それ以降はちょっとお得な「3本入り」をご購入ください。また【GECKO-TAC】には「12本入り」、【TOUR-TAC】には「30本入り」という、さらにお得なまとめ買いパッケージもありますので、どうかご利用ください。
ダンロップテニスナビで【グリップテープの巻き方】の動画をアップしています。
こちらを是非ご覧になって参考にしてください!

YouTube URLはこちら↓
https://youtu.be/P4DIauPWdSM

除菌しましょっ!

新型コロナウィルスの猛威は、世の中を、世界を変えてしまいました。とくに変わったなと感じるのが、我々の価値観です。これまで当たり前に行なってきた会食をできなくなり、なくてはならなかった(人もいるでしょ)娯楽が、「なくてもいいもの」に思えてしまう。

ほぼすべての人がマスクを着けて歩きます。そもそも日本人はマスク好きです。外人の友達が「どーして日本人はみんなマスクするですか? 電車に乗るとコワイのです」と言っていましたが、いまや全世界がマスク人間ばかりです。

それこそ「使い捨て」だった不織布マスクが、「命のために必要なもの」になってしまうことで、とんでもない高値で取引されるようになってしまう(やっと落ち着いてくれてなによりです)。本当に必要なものと、じつはなくてもいいものが明確にされた半年間。

そしてずっと消えてしまっていたものが「アルコール」「除菌剤」ですね。どこのドラッグストアヘ行っても、マスクと除菌剤のコーナはすっからかん。ネットでやっと見つけると無法な値付け……。ようやく手に入りやすくなり、人々は「消毒・除菌」を日常リズムに組み入れています。

そんな状況ですから、「グリップの除菌」も再認識しましょう。スーパーや店舗に入るたびにシュッシュして手のひら除菌するのに、グリップはノーケアで握ってしまう……ってオカシイでしょ!

グリップテープは汗を吸収して、手のひらの滑りを抑えてくれるものであり、プレー後には汗でグッショリ。そのまま放置すれば(ほとんどの人がそうですが)、バクテリア繁殖の巣窟。かつて何色だったか判別できなくなったテープや、擦り切れ、めくれて、なんのために巻いているのかわかりません。

それを平気で握るわけですよ。わざわざ手を汚そうとしているとしか思えません。ですからグリップテープは、まめに巻き替えましょうよ。それがベストです。新品のグリップテープほど清々しい気持ちにしてくれるのはありません。それに機能的にも新しいのがベストです。プロが毎試合ごとにグリップテープを新品に巻き替えるのは、最高性能を求めるからです。

さすがにそれは我々一般プレーヤーにはむずかしいですから、せめて「除菌」しましょっ。プレーした後に「シュシュっ」とスプレーすればいい話です。一時はまったく入手できなかった除菌スプレーも、なんとか手に入るようになりました。

衣料用除菌スプレーなどありますが、グリップテープにはちょっと効果が薄いかな……。筆者のオススメは、濃度70%以上のアルコール(エタノール)か、80ppm以上の次亜塩素酸水ですね。個人的に愛用しているのは500ppmの高濃度次亜塩素酸溶液で、これを用途によって薄めて使います。強力に除菌したい場合は、原液1に対して水を2〜3加えれば、ほとんどの臭いは消えてくれます。

この稀釈液を、小さなスプレーボトルに詰めて、ラケットバッグの中へ!
プレー後にグチュグチュになったグリップテープは、本当はすぐに外して捨ててしまうのがベストですが、なかなかそうもいかないでしょうから、まずはよく乾いたタオルで強く握って、汗の水分をタオルに移します。そしてそれをすぐにバッグにしまわずに、しばらく乾燥させることです。

そして除菌スプレーの登場です。シューッとまんべんなくグリップ全周に噴霧しましょう。あらかじめグリップを乾燥させておくことで、除菌剤がグリップに染み込みやすくなり、奥の層まで除菌剤が届いてくれます。

この除菌スプレーはとても便利アイテムで、シューズの消臭にも大きな効果があります。テニスシューズを脱いだら、シューズの中に一噴きしてやるだけで、イヤな臭いの元となるバクテリアの繁殖を抑えてくれるからです。

まず、「どうしてグリップテープを巻くのか?」を考え、自分が使って気持ちよく、誰から見ても清潔そうなグリップの維持を心掛けてください。まずは「グリップテープ交換」、次に「除菌」ですよ!

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。