さて、数あるスポーツの中で、テニスはなかなか多種の道具を使う競技です。ラケットフレーム、ストリング、シューズ、グリップテープ……そして重要なのが「ボール」です。ラケットもシューズも、自分だけが使うものですから、それぞれ個人が好きなものを選んで使うことができます。
しかし、テニスコートとテニスボールは、そういうわけにはいきません。テニスコートのサーフェスは多種あれど、試合をするプレーヤーは同じコートに立ちます。しかも、2ゲームごとにサイドチェンジして、「試合環境の公平さ」を保つルールがあります。そしてテニスボールは、「共通の道具」として、互いに打ち合うものです。まぁ「球技」としてはそれが普通で、自分のボールを用意できるゴルフやボーリングのほうが特殊かもしれません。
もちろんみなさんがご存知のとおり、テニスボールはどれでも同じというわけではありません。国際公式ルールで規格が定められてはいるものの、それには「許容範囲」があり、その範囲内であれば認められるのです。ボールの直径の認定範囲が「約3.2mm」、ボール重量は「3.4g」以内であれば、合格基準内ということになりますが……裏を返せば、直径が3mmも違っていても、同じボールであると認められてしまうことになります。
日本人というのは、こういったことに対して、おおざっぱでいられる国民性を持ち合わせておりません。同じ名前で販売されるならば、あくまでも「同じ」であるべきだ! それが日本人ですね。わたしたちダンロップも、もちろんそう考えます。この気持ちが【ダンロップ フォート】を「別格のボール」に保たせてきました。
「厳格に同じであること」「昔も今も同じであり続けること」……いや、むしろ「もっと高い精度を目指すこと」を心に掲げて、われわれは本物の高品質を提供し続けています。この機会にもう一度、【ダンロップ フォート】に注目して、「ダンロップのまごころ」を知っていただきたいと思います。
それとは別に「プレッシャーライズドボール」があり、みなさんが主にお使いになるボールがそれで、もちろん【ダンロップ フォート】も、このタイプのボールの代表的存在で、反発性能を「コアボール自体のゴムによる弾力性」+「コアボール内に封入した気体の圧縮→復元力」によって得るもので(【ダンロップ フォート】では約1.8気圧)、コアボール内の気体が抜けていくと反発性は低下しますが、打球感はマイルドで、手応えは軽くなります。
どのボールも外観はまるで同じに見えますが、素材選択、製造工程、検査精度など、さまざまな選択肢があり、どのレベルを選ぶかによって、できあがるボールはずいぶん違っているのです。世界各地から高品質な材料を調達し、手間はかかっても上質で安定した結果を得られる製造工程・製造方法をあえて選び、オートメーション化の中にも手作業に近い検査、検査項目の多さ・厳密さでは、【ダンロップ フォート】というのは、まさに別格のボールとして作られています。
「テニスボールは【ダンロップ フォート】が基準」と言われるほど、みなさまに愛され続けた理由がそこにあります。「基準」は、越えることができません。新しいモデルのボールがどんどん発売されていますが、【ダンロップ フォート】ほど高い精度を誇るものを見つけることはできません。
【ダンロップ フォート】はまた、ずっと変わらないことを運命付けられています。週末にクラブでゲームをするとき、みんなが納得して選ぶのが【ダンロップ フォート】でした。世界のプロツアーが、軽くて高速なボールを選んでも(ダンロップには【AO】【ATP】があります)、【ダンロップ フォート】がなくなることはないでしょう。
総じてラケットフレームの剛性が上がり、軽量化も進み、ストリングも硬いものが増えて、身体への打球衝撃が増す傾向にあるなか、優しく、高精度で、高品位のテニスボールは、さらに求められるようになるでしょう。そんなときにはぜひ【ダンロップ フォート】をお選びください。「そうそう、やっぱりこれだよね!」の笑顔をお届けできるよう、『国民のボール』は還暦を越えて、さらに歩み続けます。
(近々に【ダンロップ フォート】の特設ページがアップされますので、そちらもご期待ください)
詳しくは下記画面をクリックしてください。
「今年は残念だけど、来年は!」と言っていたのは……、なんと一年前。
まさかこんなに長引くとは誰も思っていなかったでしょう。しかもその威力はどんどん増し、重ねての緊急事態宣言発令。ふたたびクローズするテニス施設もあり、満面の笑顔でテニスを楽しめる日々は、未だ帰ってきません。
昨年は、あらゆるスポーツで大会や試合が中止され、多くの志が挫かれることになりました。それでもなんとか再開された試合だったのに、またも危機に見舞われています。テニスは基本的に屋外で行なわれ、相手との間にはアクリル板ならぬ「ネット」がありますから、十分なソーシャルディスタンスは保てるわけで、コンタクトスポーツなどに比べればはるかに心配の少ないスポーツですが、競技としてはノー・コンタクトでも、コートに集まることには違いありません。
次はグロメットや、フレームトップのバンパーガードをチェック。フレームの内側に飛び出したグロメットの筒に亀裂はないか? グロメット孔の中に、砂などが詰まっていないか? を確認します。もしも亀裂があると、そこからさらに裂けて、ストリングがフレームの孔に直接に接触することになります。フレーム側の孔の角は鋭角ですから、ストリングはあっという間に切れてしまいます。この場合、基本的には「グロメット交換」です。応急処置法もありますが、それはあくまで応急の措置。張ったばかりのストリングを切らないためにも、ここは思い切って、グロメット交換してもらいましょう。
グロメットに砂などが挟まってしまっていたら、先の細い目打ちなどで除去してみてください。できなければ、思い切って張り替えてしまいましょう。危機が去って、試合が続くようになると、なかなか張り替えのタイミングを逃してしまいがちです。この時間を利用して、張り替えておくのが安全です。
そして「グリップ」です。ときどき、表面のウレタン層が摩滅しただけでなく、基布が剥き出しでボロボロになった「テープの残骸」が巻かれているのを見かけることがあります。グリップテープは洗濯することができません。そもそも「消耗品」ですから、グリップ力が薄れかけてきたな……と感じた時点で、さっさと巻き替えちゃいましょう。わずかな出費で、あなたのグリプ環境は一新され、爽やかな気分でプレーに臨めます。
また、グリップを握った感じが硬くなってきたと感じたら、グリップテープだけでなく、その下の「元グリ」も交換しましょう。普段はテープに隠されているためにわかりにくいですが、汗が染み込んで雑菌がたまり、不衛生になりがちです。それにテープを巻いても「クサいものにフタをする」だけです。これも巻き替えてしまいましょう。
そして「シューズ」です。最初にチェックしなければならないのは、ソール底面の「溝の減り具合」です。シューズも消耗品ですから、自動車タイヤ同様に摩滅します。シューズの命とも言えるグリップ力がなくなったまま使っていては、いずれ事故(ケガ)を起こしかねません。まさに「転ばぬ先の杖」と、新しいシューズに買い替えてしまいましょう。
次に「クッション感」を確かめます。クッション感の低下は、連続的に履いてきたシューズでは、とても感じにくくなっています。まずシューズ内の「インナーソール」を取り出して、ペッチャンコになっていないか確認です。かなり潰れていたら、ミッドソールもそうとうやられていると認識してください。
また、アッパーに穴があいていたり、裂けた部分がないかチェックです。それらが大きくなると、安定性を欠いて、危険が場面を迎えることになるかもしれません。テニスショップでは、試合がないと、シューズの買い替えがグッと落ち込みます。プレー再開のとき、万全の準備を整えて、確実なフットワークを支えるのです。
わたしたちみんなの努力と忍耐で悪魔を追い払い、晴れやかな笑顔でコートに立てる日を迎え、爽快な汗をかいた後は、満面の笑みをもってビールジョッキで乾杯です!
松尾高司氏
おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。