2021/11/30

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2021 11月号

住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、長年、日本のテニスファンにハイクオリティの高性能ボール【DUNLOP FORT】、安心して使える練習球【St.James】を提供し続け、多くのテニスファンにご愛用いただいています。そして海外でもダンロップボールの信頼性は高く評価され、2019年からは全豪オープンの使用球として採用され、さらにはATPツアーにおける大会使用球としてトップとなっています。

ダンロップが英国でテニスボールを作り始めたのが1923年。1930年代にはウィンブルドンの使用球として【DUNLOP FORT】は信頼されていましたが、日本の住友ゴム工業が【DUNLOP FORT】の生産を始めたのが1961年。満60歳となった【DUNLOP FORT】は、発売当初から現在まで「高品質」を誇り、絶大な支持を得てきました。
2017年、住友ゴム工業がワールドワイドで【DUNLOP】のブランド権を獲得したことによって、当社の高性能ボールを世界的に広めていくプロジェクトに取り組むこととなり、2018年には全豪オープンと使用球契約を結んで、2019年大会から【DUNLOP AO】が使われています。日本の企業がグランドスラム大会のサプライヤーになるのは初の快挙であり、その後は「ATPツアー」との契約にも及び、ツアーの多くの大会が【DUNLOP ATP】を使用球に採用しています。

長く続いている国際大会にとって、「変更」が大問題となるのが「サーフェス」と「使用球」です。サーフェスはプレーヤーのパフォーマンスに大きな影響を与え、ボールは試合の行方をも左右する重要な要素であり、サーフェスとボールとの相性・バランスも大会にとって非常に大切なスペックとなります。

これに対応しなければならない出場プレーヤーにとっては、まさに大問題。昨年は勝てていた大会が、変更によって勝てなくなってしまうかもしれない……なんてこともあるのです。実際、全豪オープンでの【DUNLOP】への変更は難航しました。幾度も繰り返されるテストと仕様変更・調整に苦労させられましたが、それくらい大会使用球の変更は慎重でなければならず、信頼を勝ち得るまでには時間と互いの理解が必要となります。

にもかかわらず、2021年のATPツアー78大会中で「34大会」がDUNLOPのボールを使用するに至りました。なんと43.5%の使用球シェアとなり、世界のトップに立ちました。大会使用球に採用されているブランドは、ビッグブランドから地元の小さなブランドまで多数あり、「43.5%」という数字を獲得するのはまさに快挙!

それが「日本発」ということが、大きな誇りに感じています。世界が日本のボールに高い信頼性を認めてくれて、トッププロたちの激しい戦いを支えてくれている状況を、日本でプレーするみなさんにも、ぜひ知っていただきたいと感じています。

テレビで放映される世界各国のトーナメントを視ていると、コートサイドに大きな【DUNLOP】のバナーを見ることがあると思います。あれが「この大会では【DUNLOP】ボールが使われている」という印です。テレビ観戦する機会がありましたら、ぜひそんなところにもご注目ください。

【DUNLOP】ボールの高い信頼性という評判は、男子プロテニス界だけに留まらず、女子プロテニスのWTAツアーにも広まりました。全豪オープンでは女子も【DUNLOP AO】を使いますから、そこからマイアミオープン、マドリッドオープン、イタリア国際……など、ビッグトーナメントでも【DUNLOP】ボールが使われています。

そのシェア率は、全72大会中で20大会を占め、全体の「28%」となり、男子の「43.5%」には及びませんが、女子でも【DUNLOP】ボールの大会使用球採用が増えてきています。先に述べたとおり、ボールの選択は参加選手の勝敗はもちろん、大会全体のクオリティにも影響するため、信頼性の高いものが選ばれることになり、この数字が国際レベルでの信頼性の高さを表わす指標とも言えるでしょう。

そして女子テニス界からは嬉しい報告もあります。ITF(国際テニス連盟)主催の『ビリー・ジーン・キング カップ』の公式使用球に選ばれたというニュースが飛び込んできたのです。

この大会は1962年に「女子テニス国別対抗戦」として創設された『フェデレーションカップ』に発するもので、後に変更された名称『フェドカップ』と記すと、みなさんおわかりいただけると思います。

『フェデレーションカップ』と日本とのつながりは深く、初めての参加が、アメリカのフィラデルフィアで開催された1964年の第2回大会。1970年代前半には、ウィンブルドンで初の日本人優勝者となった沢松和子さんを中心に、5回のコンソレーション優勝を果たしています。

また初の日本開催となった1981年大会には、米国代表:クリス・エバート、アンドレア・イエーガー、西ドイツ代表:ベッティナ・バンジ、英国代表:スー・バーカー、ヴァージニア・ウェードといったスター選手が集結し、大テニスブームに沸いていた日本のテニスファンたちで連日満員となりました。その後、参加国が一堂に会して行なわれるフェデレーションカップは名古屋、東京でも開催されましたが、フェドカップでは男子のデビスカップと同じように、世界各地で対戦国同士による分割開催となりました。

今回の『ビリー・ジーン・キング カップ』は、昨年の延期を経ての初開催となりますが、チェコのプラハに全参加選手が集まっての華やかな創成時同様の開催形式であり、その栄えある舞台で【DUNLOP AO】が公式球に採用されたのは、喜ばしいかぎりです。

日本で最高の評価をいただいている【DUNLOP FORT】はもちろん、【DUNLOP AO】も国内発売されていますので、どうか「世界の打ち味」をお試しください。

■ テニスボール一覧はこちら https://sports.dunlop.co.jp/tennis/products/ball/

さて今回は「ラケットの耐久性」についてお話ししましょう。よく「ラケットって、どのくらい“もつ”んですか?」とか「今のラケットは壊れないから生涯使えますよね」とか、いろんなことを訊かれますが、食品と違って、現代のテニスラケットには「賞味期限」というものが記されていません。さすがに放置期間が10年間以上になると、厳密には劣化しているでしょうが、腐ったり、自然に構造崩壊してしまうことはないですね。

公営コートなどヘ行くと、「それ、いつ買われたんですか?」と問い質したくなるようなモデルを平気で使ってらっしゃるベテランプレーヤーをお見受けすることがありますけど、これといった支障があるようにも思えない元気なプレーぶりです。ラケットに不足があるようには見えないんです。

今使ってらっしゃるラケットを、ものすごく愛しているか、あまりラケットの性能などを気になさらない方なのかもしれません。でも、ラケットが自分のテニスを楽にしてくれたり、そのおかげで相手より優位に立たせてくれるということは「ある」のです。

またいっぽうでは「ラケットは2年ごとに買い替えています」というプレーヤーもたくさんいらっしゃいます。その理由は「飛びが悪くなるから」「モデルチェンジされたから」「気分を変えようと思って」「デザインがカッコいいから」など、それぞれです。

そこで「カーボン製ラケットの性能低下」「物性的劣化」についてお話ししたいのですが、その前にラケットの構造を簡単に説明させてください。現代のテニスラケットは超細いカーボン繊維を一定方向に並べたシートや、束ねて編み込んでシート状にしたものを重ね巻いて作ります。カーボンのシートそのものはフニャフニャですが、これに樹脂をしみ込ませて加熱すると、あ〜ら不思議っ! カッチカチになるんです。この樹脂のことを「熱硬化性樹脂」とか「レジン」といい、ラケットの基本構造は「カーボン+レジン」で構築されています。

人間の身体にたとえると、これが『骨』にあたります。層状になったカーボンシートはレジンという接着剤によって非常に堅牢な状態を保ちますが、激しく衝撃を与え続けられることで、カーボンとの密着状態が少しずつ剥がれることもあります。フレームの強度は、すべての層が一体となっていることで本来の強度を発揮するため、内部でのカーボン層剥離が起きると、強度が低下してしまいます。

また、レジンは経年劣化するとも言われています。まるで使わないで放置してあったラケットを10年ぶりくらいに打って、大きな衝撃を与えると、カーボン層剥離が起き、本来の剛性や反発性を発揮できなくなることもあり得ます。

こうなると、ラケット全体としての反発性能は低下して「飛ばなくなった」という状態になります。言ってみれば『疲労骨折』です。完全に骨折はしないものの(最近は叩き折りたがるプロがいて困りものですが)、骨の内部が細かく折れたりヒビが入るのです。

問題は「フレーム内部の疲労は、ストリングから見てもまったくわからない」ということです。人間の骨ならばレントゲン撮影によって発見されますが、ラケットの場合にはそんな検査方法はありません。

また『疲労骨折』ならば、治療すれば治りますが、ラケットでは治療のしようがありません。「もう寿命だな……」と考え、新しいラケットに買い替えるしかないのです。

では、どんな人にも『疲労骨折が起きるのか?』というと、そういうわけではありませんね。人間でも一般的な生活をしている人では、疲労骨折の例はそんなに多くはなく、おもにアスリートたちに起こります。つまり「ハードヒッター」のラケットには疲労骨折が起きやすく、強烈に打てば打つほど、限界がやってくる時期は早まります。

逆に、ほとんどハードヒットなどしないという「ゆったりプレーヤー」のラケットには、際立った劣化は起こりにくいと言えます。まぁ、そういったプレーヤーの場合「飛びが悪くなったなぁ」と感じることなど、めったにないと思いますが……。

というわけで、「どのくらい打ったら」といった具体的な数字は出せません。その方の打ち方、パワー、打球回数、何本を同時併用しているか? どのくらいの頻度でストリングを張り替えるか?まで、さまざまな要素が入り混じってこんがらがって、やがて限界がやってくるのです。ある方は「1年でダメになる」かもしれず、またある方は「一生ものだね!」と感じているかもしれません。

でも新しいラケットは、たいがい性能的進化を遂げ、フレッシュなイメージで我々の前に現われます。またプレーする気持ちを高揚させてくれるものです。
『ニューモデルで気分がるんるん!』(……いまどき言わないか 汗)。長年の相棒としての性格は大きく変えずに、ちょっとだけ自分を強くしてくれたり、少し落ちてしまったパフォーマンスを補ってくれたり、新しいラケットって、いいもんですよ!

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。

テニスボール「ダンロップ・フォート」に来年の干支である「寅」のイラストと「2022」の文字をプリントした「ダンロップ・フォート 干支ボール(2022年「寅」)」(2球入/ペット)を11月28日から数量限定で販売します。
年末年始の打ち納めや打ち始め、贈答用などに大人気。フタを開けると、“福球” “大吉ボール”が入っているかもしれない、ワクワクな商品です!
商品のご購入については、お近くのテニスショップやテニススクール、量販店などへお問い合わせください。

<応募方法>
商品を購入し、“大吉ボール”が出たら、そのボールを写真に撮りご自身のInstagram、Twitterアカウント に投稿するか、応募方法に記載のメールアドレスに写真を送付することでキャンペーンに応募できます。

<キャンペーン期間>
2021年11月28日(日)~2022年1月31日(月)

<応募方法>
以下のいずれかの方法でご応募ください。
(1)ご自身のInstagram、Twitterアカウント(公開アカウント)に“大吉ボール”が写った写真を、ハッシュタグ「#フォート大吉」を付けて投稿してください。
(2)メールアドレス(ttennis-info@dunlopsports.co.jp)に写真をお送りください。


■くわしくはコチラ https://sports.dunlop.co.jp/tennis/updates/detail/20211019081853.html