2022/03/31

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2022 3月号

住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、テニスを中心としたラケットスポーツをワールドワイドに展開し、ダンロップブランドを世界的にアピールするため、アパレルでも独自のアイテムを市場に贈り続けています。2022年の春夏モデルは、メイングラフィックに【ビースト】をモチーフ化したものを採り入れ、つねに冷静な感情を保ちながらも、必要なときには冷酷にさえ思える攻撃性を剥き出して仕留める、積極的な姿勢をデザイン化しました。

企画スタートに当たって掲げたのは「プロ・アマを問わず、つねに自分自身の限界を超えることを願うプレーヤーたちに向けて」というイメージで、これを纏うプレーヤーたちの挑戦をサポートする、機能的なアイテムの数々を提案することです。

シリーズを一貫するメイングラフィックは『ビースト(アニマル)柄』をモチーフにしています。獰猛な動物は、いつも荒々しく暴れ回っているわけではありません。普段は静かに身を潜めてエネルギーを蓄え、周囲を冷静に観察しながら、機が満ちるのを待って、突然に飛び出し、一気に加速して獲物に迫ります。

今回の2022年春夏モデルの「UNISEX」は、ダンロップオリジナルのレオパード柄で、プレーヤーの「内に秘めた想い」の強さを表現しています。レオパードとは、ネコ科の「ヒョウ」のこと。かつてはヒョウ柄と呼ばれていましたが、最近はレオパード柄と呼ぶのがトレンドです。

ヒョウの派手な模様は草の茂みに隠れると姿を消すためのもので、待ち伏せで狩りをするための進化の結晶です。ヒョウの身体は小さくてスリムで、サバンナの丈の低い草むらにほぼ完全に姿を隠しながら獲物に忍び寄ります。そして突然、襲いかかる様子は、まさに華麗で俊敏、かつ狡猾です。その狩りのスタイルをイメージしました。

カラーパレットはブラックをベースに、トレンドのネオンカラーのブルー、アクセントにコーラル、ニュアンスカラーのグレーを展開。また新商品SXとのコーディネートでイエローも登場しています。

開発スタッフが気合いを入れたのは、エンボス加工でレオパード柄が全面に施された『ゲームパンツ(DAS-2280)』です。手の込んだ立体プリントを用い、平面では表現できない「躍動感」「生命感」を表現しています。

WOMEN'Sのラインナップは、ダンロップオリジナルのゼブラ柄を採り入れました。ゼブラ:シマウマには、草原に群れで暮らす「穏やか」なイメージがありますが、危機が迫れば「気性の荒さ」を剥き出しにして、しなやかなシマ柄を激しく躍動させる野生を持っています。

カラーパレットはブラックをベースにトレンドのネオンカラーのピンクとブルー、
アクセントにコーラル、ニュアンスカラーのブルーグレーもおススメです。
とくに注目していただきたいのが、ゲームシャツ(DAP-1221W)&スコート(DAK-2280W)で、やはりエンボス加工でゼブラ柄を全面に施した自信作です。

男子契約トッププロたちも、2022年オーストラリアオープンから春夏モデルを着用し、活躍中です。イメージカラーは、明るいブルーとイエローが躍動感を。そしてダンロップブラックが冷静さと精神性の深さを表現し、彼らはこのウェアで、2022年を戦い抜きます!
その活躍に、ぜひご注目ください。

▼ケビン・アンダーソン選手

シャツDAP-1203(ブルー)、パンツDAS-2280(ブラック)

▼マックス・パーセル選手

シャツDAP-1203(ブルー)、パンツDAS-2280(ホワイト)

DAP-1203

GAME SHIRT

DAS-2280

GAME SHORTS

いっぽう女子契約プロたちも、新アイテムの『ノースリーブウェア』や『新色ブルーグレー』を含めたアイテムを着用します。どれもゼブラ柄が大胆に施された2022年ダンロップらしいイメージのアイテムばかりです。

▼ザリーナ・ディアス選手

シャツDAP-1225W(ホワイト)、DAK-2281W(ブラック)

DAP-1225W

SLEEVELESS GAME SHIRT

DAK-2281W

SKORT(with INNER SPATS)

また「プラクティスウェア」もダンロップらしいアイテムを豊富に展開。UNISEXはゲームアイテム同様にレオパード柄の入ったシンプルで個性的なアイテムを揃えました。胸元にラバープリントを施したTシャツ(DAL-8201)&グレーのトラックジャケット&パンツのセットアップ(DAF-5200&5280)は、開発スタッフのお気に入りです。

DAL-8201

T-SHIRT

DAF-5200

TRACK JACKET

DAF-5280

TRACK PANTS

WOMEN'Sプラクティスウェアでは、ゼブラ柄の大胆さを、より強調したデザインになっています。とくにブルーの『ロングスリーブシャツ(DAL-8222W)』では、女性らしいシルエットに、『D』を隠したデザインを胸に。『ホワイトのトラックジャケット&パンツのセットアップ(DAF-5220W&5281W)』では、ゼブラ柄が強く引き立つコントラストを採用。ぜひ、いろんなコーディネートをお楽しみください。

DAL-8222W

LONG SLEEVE T-SHIRT

DAF-5220W

TRACK JACKET

DAF-5281W

TRACK PANTS

詳しくはHPをご覧ください

近年、テニス界にこんな噂が流れていますが、みなさんも聞いたことがおありでしょう。
「砂入り人工芝コートのせいで日本のジュニアは強くなれない」

世界競技的な視野に立てば、ハードコートが国際基準であり、それに対応すべく練習を積むことでレベルアップするだろうことは、そのとおりと思いますが、日本選手が世界の上位で活躍できないことと、砂入り人工芝が多いこととを直接的に紐付けするのは、いかがなものかと感じるんです。

ジュニア時代を砂入り人工芝コートで育った選手は、ハードコートでのラリーのテンポについていけず、バウンドが低いために攻撃的なテニスを展開できないというのが、おもな論点ですが、「日本選手が強くなれないのは砂入り人工芝コートのせい」というのはどうなのでしょう?

今日の日本における「テニスコート面数」の正確なところは入手できませんが、5年前の平成29年度で「26,000面」というデータがあります。そのほぼ半数が砂入り人工芝コートであると言われていますけれども、筆者の感覚としてはすでに半数以上になっている印象です。

ジュニアや学生など、国際基準で競技レベルを高めるためには、海外と同じサーフェス環境を整える必要があることは、もっともなことであり、実際にハードコート化の促進も図られています。

ただ、「勝つため」の環境が必要なプレーヤーもいれば、「テニスを楽しむため」の環境でプレーし続けたいプレーヤーも多くいます。ハードコートか促進を否定するわけではなく、「日本選手が強くなれないのは砂入り人工芝コートが多くなったせいだ」とされることはいかがなものかというだけです。

硬式テニスしかなさらない方は忘れがちですが、ソフトテニスでも「同じコート」を使うのです。ソフトテニスでは砂入り人工芝コートがメインです。それを無視することはできませんよね。

前出の問題を冷静に判断するために、「砂入り人工芝コート」と「ハードコート」の比較をまとめてみました。

【ハードコート】
● サーフェスが均一で安定したバウンドを実現できる
● 日々のメンテナンスが非常に楽
● 世界基準のスピーディーなテニスを展開できる
▲ 少しの雨でも滑るためにプレー続行は危険
▲ 強い踏み込みで急激なストップ性に対抗すべく、十分な脚力を必要とする

【砂入り人工芝コート】
● 水はけがよく、多少の雨が降ってもプレーは可能である(環境回復しやすい)
● ラリーのテンポが速すぎず、ゲームを楽しむのに向いている
● ベテランでもテニスを楽しむことができる
● スライドしながら止まるため、膝への突き上げ感が少ない
● 日々のメンテナンスが非常に楽
● 稼働不可の日数が少なく「運営稼働率が高い」→ より多くの人がテニスを楽しめる
▲ バウンドが低く、ゆっくりめで、試合のテンポが遅い(速すぎずに楽しめる)
▲ 砂の分散に偏りができ、全面を均一なサーフェス状況に保ちにくい
▲ 砂がシューズの中に入ってイヤだ
▲ 強く踏み込んだときに滑りやすく、激しいフットワークで切り返せない
▲ サーフェスの劣化に対して、少しずつの改修がしにくい

各事業体が、運営のための適不適に関して、それぞれのメリット&デメリットを検討した結果として選ばれてきたのが砂入り人工芝です。現在の日本のテニス環境を支えているのは、既婚年齢層の男女で、そのボリューム年齢層は、年々上がっているのは事実です。ボリューム年齢層が高くなるほど、楽にプレーできるサーフェスが求められます。そんな状況に対応しているのが現状であり、それを「害悪」だと責めるのは考えものです。

今日のトップ選手だって、初めてテニスを覚えたのは砂入り人工芝の上だったでしょう。そういう間口の広さがあったうえで、その精鋭として競技の道を駆け上がったのが学生チャンピオンやプロなのです。ハードコートを増やすために行なうべきことは、オムニコートを非難することではなく、各地方のテニス協会が「新たにジュニア育成のための施設を完備し、国際基準で育成できる環境作りをする」ことだと思いますし、競技層プレーヤーの強化を実現すべく、ハードコート化も進められています。

テニスファンの年齢層は、年々、高くなっています。大切なのは、みんなが「テニスは楽しい」って思うこと。テニスを楽しむ人が増えることです。そのためにオムニコートが役立っていることは否定しようのない事実です。

テニスの始まりは「遊戯」「座興」です。
あくまでそれがベースであり、その先に「競技」があり、「勝つこと」「秀でること」があるわけで、どちらを否定することなく、共存共栄していくことが日本テニス全体を引き上げるためには必要です。

「より多くの人がテニスを楽しむ」ことからテニス文化が繁栄するのはないでしょうか。
テニスを楽しむ文化があるからこそ、その頂点として精鋭が存在するのだと思います。言ってみれば、裾野の広さが、一部の競技テニスを支えているんです。

テニス道具も「楽しむテニスのため」のものがあり、「相手に優るため」の道具が別々にあるじゃないですか!
コートサーフェスだって、両方あっていいでしょ。


※2月号後編は次号に掲載します

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。