2022/05/31

ダンロップメンバーズテニスメルマガ 2022 5月号

5月10日「ダンロップスポーツ公式オンラインストア」がグランドオープンしました。取扱商品は、ゴルフ用品、ラケットスポーツ用品です。

オープン記念特典として、5月10日から6月30日までに新規会員登録をしていただいた方に、もれなく1,000円クーポン券(※)をプレゼントするキャンペーンを実施しています。
※5月10日から6月30日までの期間に1回限りオンラインストア内で使用可能 (購入総額が5,000円以上(税抜)の場合)

住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、テニスを中心としたラケットスポーツを展開し、それらを楽しむみなさんのために、幅広いカテゴリーの製品を提供して、快適なラケットスポーツライフをバックアップしています。テニス関連では、メインの硬式テニスだけでなく、ソフトテニス、テニスプレイ&ステイ、ショートテニス、そしてパデル、スカッシュ、バドミントンまで、ラケットスポーツ全体をカバーするメーカーへと成長しています。

それらの中から今回紹介するのは「ショートテニス関連グッズ」です。ダンロップのキッズ向けギアは、ジュニア用ラケットをはじめ、テニスプレイ&ステイ用ボール、ショートテニス用ボール、そして「ネット・ポストセット」などが揃っています。

そもそもショートテニスは、1970年にスウェーデンで生まれ、キッズ、初心者、シニアが、簡単にテニスを楽しむために活用されました。スウェーデンの指導者たちは、ショートテニスを利用して技術指導を行ない、1975〜2000年のデビスカップで優勝7回を果たした「テニス強国スウェーデン」の基礎を作り上げました。そうした実績に注目した日本も1985年に導入し、おもにキッズのテニスへの誘いやジュニア育成に役立てています。

ショートテニスの魅力は「ちょっとしたスペースがあれば、どこでも簡単にプレーできること」です。使用するボールは一般的なテニスボールよりも大きいために捕らえやすく、スポンジ製で軽いので、打ち返すのに大きな力はいらず、周囲のものにぶつかっても壊してしまうことはめったにありません。

小さなお子さんでも簡単にボールを打ち返す楽しさを体感することができ、テニスという動きの基礎を身に付けていくことで、ボールを打つための合理的な動き方や、リズム、力の加減というものを学ぶことができます。小さなお子さんにとって、いきなりテニスはハードルが高すぎて「イヤになっちゃう」ことがあるかもしれませんが、ショートテニスでスタートして、テニスプレイ&ステイへと移行し、一般のテニスへとステップアップすることで、成長に合わせたスムーズなシフトアップが実現するでしょう。

ショートテニスには競技としてのルールもあります。まずは「コートの広さ」で、テニスコートよりも小さな「バドミントン用コート」と同サイズ。室内では、バドミントン用コートを利用することができて便利です。まだ十分な体力を持たない子供や、普通のテニスコートを走り回るのがシンドくなった大ベテランでも、簡単にラリーを楽しめるわけですね。


ST-8001
ネット・ポストセット 6mタイプ


競技用ルールでは、コートの幅は「6.1m」で、ダンロップがテニスプレイ&ステイ用に発売している【ネット・ポストセット 6mタイプ ST-8001】を利用することができるでしょう。


ST-8000
ネット・ポストセット 3mタイプ


そして、ちょっとした広さがあれば、どこでも簡単にミニ・ショートテニスを楽しめるよう、ヨコ幅が3mという簡易設置型【ネット・ポストセット 3mタイプ ST-8000】も販売しています。

このキットは「小型どこでも設置タイプ」なので、お庭の広さがあれば設置可能です。セット内容は「折り畳み式組み立てポスト」と「ネット」のみ。ポストはすでに繋がっているので、バラバラになったのを探して組み立てていく面倒がありません。収納袋から折り畳まれたポストを取り出し、順に伸展してカチッカチットはめていくだけで、あっという間にポストが組み上がり、最後にネットをセットするだけ!

コンパクトに収納されたパッケージから出して、ほんの数分でショートテニス用のネットが完成です。このキットが面白いのは、「両サイドのネットポールを伸展させれば、高さ155cmのバドミントン用ネットになる」というところです。この【ネット・ポストセット 3mタイプ ST-8000】があれば、ガレージでショートテニスとバドミントンの両方を楽しませてあげることができるのです。

収納袋に入った状態で「約91cm × φ約19cm」ですから、お部屋に置いておくにも、そんなに場所をとりません。価格は「13,200円(税込)」です。テニス愛好家のお父さんとお母さん、お子さんと一緒にコートに立てる日のために、「どこでもショートテニス」、させてあげませんか!

詳しくはHPをご覧ください

この数年のうち、以前には聞いたことがない「ジェンダー」という言葉が多用されるようになりました。性別による差別のないことを訴えるときに使うもので、すでに一般的に認知されています。

男女の境をなくす意味で、昔は女性側から「男女差別ダァ!」とシュプレヒコールを挙げられたものですが、男性側は「差別というより区別だろ!」とシブい顔。昔の日本では『男女七歳にして席を同じうせず』とされていましたが、それは中世近世のヨーロッパでも同じでした。

スポーツの祭典の原点『古代五輪』では女人禁制でした。1896年 近代五輪の第1回アテネ大会でも、古代五輪同様に女性の参加は認められず、男性のみの大会。なんてったって近代五輪の創始者であるクーベルタン男爵が、「女子競技は五輪の品位を下げる」と言ったのです。それが当時の「社会通念」でした。

1986年といえば、ウォルター・クロプトン・ウィングフィールド少佐によって、現代テニスの原型が特許登録された1873年の7年前であり、まだ「スポーツ的な遊戯は男性のもの」というのがあたりまえ。当時、女子にも「遊戯」として認められていたのは、バドミントンの原型みたいな遊びで、日本でいえば「羽根つき」ですね。これは「男女がいっしょに遊べる」ものでしたが、あくまで子供の遊びです。

現代テニスを提案したウィングフィールド少佐は、そこに目を付けたのです。自分が特許申請して製造販売した「テニス用具キット」をヒットさせるには、他の遊戯との差別化を図らねばならないと考え、「男女がいっしょに楽しめる社交遊戯!」という謳い文句で売り出したところ……今で言えば「バズった」のです。そりゃそうでしょ。男性にとっては、女性といっしょに楽しんでいい遊戯なんてなかったんですから、ワクワクですよ。

まずは中流階級でのホームパーティーの余興として、「裏庭でテニスしましょっ」となって、数家族が集まって楽しまれました。そのとき「大人だけで楽しむのなんだから、子供にはボール拾いという役割で参加させましょ」ということで、「ボールボーイ」というテニス独特の慣習が生まれた……というのが筆者の持説です。

かつては貴族の遊びだったテニスが、現代テニスとなって中流階級から火が点いて、100年後には世界的な大ブームにまで発展したのは、まさに「男女がいっしょに楽しんでいいスポーツ」だったからであり、その象徴的なものが「ミックスダブルス」なんです。ウィンブルドンで初めてミックスダブルスが開催されたのが1900年大会で、当時としてはきわめて特殊でした。

女性が初めて五輪に参加できたのも1900年のパリ大会。このときの女性参加はわずか2%のみで、男性から「女性らしさを損なわない」とみなされたゴルフ、アーチェリー、そしてテニスもその中に入っていたのです。ただ「当時、女性選手参加は『社交』的な印象を与えるための位置付けで、参加選手でも、美しい帽子をかぶり、足首まであるロングドレスを着ていた」とスポーツとジェンダーに詳しい中京大学・來田享子教授は指摘します。

しかし近年、五輪でも男女混合種目が急増していますね。
バドミントン・卓球・アーチェリー・カーリング・エアライフル・エアピストル・セイリング(男女混合二人乗り)
さらに団体競技として、
スキージャンプ(男女2人ずつ)・競泳の混合4×100メートルメドレーリレー(男女2人ずつ)・陸上の混合4×400メートルリレー(男女2人ずつ)・柔道の混合団体(男女3人ずつ)

こうした時勢ですから、「男女は区別されていない」と思われがちですが、「混合」ということ自体が「区別」されているんですね。男女の区別なく行なわれる五輪競技は、唯一「馬術」だけです。同じ競技において、体格や体力など関係なく、技術のみが競われるわけです。

ほとんどすべてのスポーツ競技には、どうしても男女の対格差・体力差がつきまといます。権利は同じでも、まるで同じ条件で戦えるわけではありません。「1対1の対戦」式混合団体競技では、男子対男子、女子対女子という組み合わせで行なわれます。柔道団体戦で、もし「男子対女子」という組み合わせでは勝負になりませんね。でも「二人が組んで戦う」形式のテニスや卓球、バドミントンでは、フォーメーションも順番もまったく自由です。

カーリング混合では、一人がチームの1投めと5投めを投げ、もう一人がチームの2,3,4投目を投げることは決まっていますが、男性・女性どちらが1投めと5投めを投げるかは自由で、エンドごとに変更することも可能なんです。それがミックスダブルスが持つ作戦的な面白さですね。

このように、いろんなスポーツで「男女混合」というスタイルが急速に広まっているわけですが、150年も前に「男女がともに楽しむもの」という概念をスポーツに取り込んでいだテニスは、いまなお、週末ライフスタイルを豊かなものにしてくれているのです。

松尾高司氏

松尾高司氏

おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。