住友ゴムグループの(株)ダンロップスポーツマーケティングは、テニスを中心としたラケットスポーツを展開し、ダンロップをご愛用くださるテニスプレーヤーのために、「ご満足いただける製品を届けたい!」「快適なテニス環境を整えるお手伝いをしたい」という心で、あらゆる製品を取り扱っています。今回は、ダンロップが2002年に発売し、2024年までほぼそのままの形状・性能特性で受け継がれる『魔法のラケット』と呼ばれている【LX1000】を象徴とするシリーズが、大きなスペック変更を施されて登場します。
みなさんはダンロップ【スペールフィール・プライム OS】というラケットを覚えてらっしゃいますか?
2002年にデビューした【スペールフィール】という商品名は、4年後にダンロップ【ダイアクラスターRIM 10.0】と改名され、スリクソンとなったタイミングで【REVO S 10.0】となり、ふたたびダンロップブランドに復活して【LX1000】となって継続してきました。
【スペールフィール】→【ダイアクラスター】→【REVO】→【LX】と4度の商品名変更を経ても、基本形状はまったく同じで、その時代の応じたテクノロジーを搭載し、【10.0】という数字だけでも通っていたラケットが、100倍の【1000】になりました。
2002年以来、まったく同じ形状のまま愛用され続けてきた「奇跡のロングセラー」は、いつしか『魔法のラケット』と呼ばれるように。その理由は「どんなボールでも楽に返球できる」からというもの。
非力なプレーヤーは、ボールを相手コートに送り込むだけでもたいへんで、超軽量・超高反発なラケットに頼らざるを得ませんでした。そこに登場したのが、このラケットでした。
世界的テニスブームだった40年前にはいろんな形状のラケットがたくさんありましたが、デビュー当時の20年前には、ほとんどがいわゆる「普通の形」となっていました。ですから【スペールフィール・プライム OS】を初めて見たプレーヤーは「ミョーな形だね」と囁き合ったわけです。でもあえてそれを使い始めた仲間のプレーを見て、「あの人のテニス……変わったんじゃない?」と噂になりました。
数年後、ベテランプレーヤーの多くが、このモデルを使うようになります。人生の機微を知り尽くしたベテランプレーヤーにとって、「ミョーな形」と囁かれることよりも、「自分の手足」となってくれるラケットを得ることのほうが大切だったのです。細かい技術を競い合うことに面白さを感じる世代を通り過ぎたベテランプレーヤーには、「ラクで快適に!」こそ、心からテニスを楽しめる必須要素でした。
こうして『魔法のラケット』は、テニス専門店がベテラン女性プレーヤーに薦める代表的モデルとなりましたが、近年ではベテラン男性プレーヤーも「魔法のパワーは我々にも役に立ってくれる!」として、愛用者が激増。そのためダンロップでは「特別カラー」「限定モデル」として、男性プレーヤー好みのコスメティックモデルも販売し、ご好評いただいてきました。
強豪の女性ベテランプレーヤーが使い、そのメリットに目を付けた男性プレーヤーが使い、狙いを定めれば正確に的を射抜いてくれる【LX1000】と【LX800】……。もはや男女ともに『頼りにしている』ラケットなのです!
そんな超々ロングセラーモデルが、過去11代を誇る22年間の歴史で、今回、初の基本スペック変更をすることになりました。なにかというと「フレームの長さの変更」です。これまで「27.5インチ」だったのが、「27.0インチ」に。
これまでの11代は0.5インチロングでしたが、それを「一般的長さ」にしました。これまでは、フレームが長いことによって反発パワーが高まったのですが、どうしてもスイングの「振り始め」に負担がかかります。それを「もっとラクに振り出せるように」という変更意図です。
つまり、パワーアップシステムが進化したことにより、「長いことによるメリット」に頼る必要がなくなったわけです。プレーヤーにとって「振り始めがラクになる」ことは、スイングの肉体的負担が減るだけでなく、振り始めの反応が早くなり、相手打球に対して素早い対応ができるというメリットにつながります。
とくにダブルスを楽しむことが多いベテラン層にとっては、ラケットの操作性が向上してネットプレーでラクに反応できることは、大きなメリットですね。「ラクになって、強くなる」のならば、もう迷う必要はありません。
【LX】シリーズには、その個性を極め尽くした「魔法のモデル」として115平方インチで、デュアルブリッジシステムによるロングストリング構造の【LX1000】が君臨し、「ラクなうえでも、もっと振っていきたい」というプレーヤーのために、110平方インチの【LX800】がラインアップされています。
従来モデルを使われていた方は「もっとラクに強くなれる」新型【LX】シリーズへ。まだ使われていない方は、『伝説の魔法』を、ぜひ体感してください。
ダンロップ【LX】シリーズは、ベテランプレーヤーたちの間で、いつしかこう呼ばれるようになりました。
「いちど手にしたら、離せなくなるラケット」……と。
シャワーって、風呂・温泉とは違うタイプの「脱力感を愉しむ時間」だったようにも思います。日常から完全に切り離された狭い空間に存在する「特別な一瞬」に、時間の流れが交錯し、論理的であろうとする心からの解放を感じる場合もあります。
「とても狭い空間」のせいなのかもしれません。あれは、「オンコートの自分」と、「オフコートの自分」とを切り替えるためのスイッチじゃないでしょうか。
テニスには、「ON/OFFの二面性」が存在します。あの狭い空間での時間は、オンコートとはちょっと違う自分を演出するための「トンネル」なんです。そのトンネルの中で、髪型を整え、うっすらとメイクを施して現われる女性は、さっきまで満ち溢れていた躍動感とはあまりに対照的なギャップが、テニス後の美しさを引き立たせてくれます。
でも、 男は黙って「着るもの勝負」です。
とくにシャワー後に羽織るものの「質感」「肌ざわり」「心地よさ」……ようするに「クオリティ」は、肌を通じて心を満たします。男は、見られることよりも、感じることを満足感を得ます。
残念なことに、近年では、高品質なシャツを愉しもうという人を、ほとんど見かけなくなりました。それだけテニスがカジュアルなスポーツになったということではありましょうが、テニスコートへの「ON/OFF」の使い分けという意識を薄れさせちゃいますね。
「ON/OFF」の狭間には、クラブハウスで仲間たちと過ごす時間もあります。今、「クラブハウス」といってもピンとこない人のほうが多いかもしれませんが、そこは「テニスを介したサロン」のような存在でした。
現代テニスの起源は「社交」。ホームパーティーでのアトラクション……余興ゲームであり、メインは「集い、語り合うこと」でした。彼らにとってクラブハウスというのは、まさに「サロン」でした。
鉄道愛好家の間では「乗り鉄」「撮り鉄」「音鉄」など「○○鉄」というふうに趣向の分科会みたいになっていますが、テニスでも「打つテニ」「ゲムテニ」「勝つテニ」「しゃべテニ」「道具テニ」、そしてなんといっても「飲みテニ」なんて、個人によって趣向的楽しみがあります! オンコートでも、オフコートでも、テニスの楽しみ方はさまざまです。
テニスクラブが激減し、クラブハウスでの時間が消滅しつつある昨今、仲間同士で「テニスの余韻を愉しむ」ことも叶わなくなりつつあります。テニスの後、みんなが集まってワイワイ喋り合うこともしましょうよ!
まぁ、いろんなスタイルや趣向があると思いますが、そんなふうに『自分なりのアフターテニス』を、見直してみてはいかがでしょう。
松尾高司氏
おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー。
「厚ラケ」「黄金スペック」の命名者でもある。
テニスアイテムを評価し記事などを書くとともに、
商品開発やさまざまな企画に携わられています。
また「ダンロップメンバーズメルマガ」のサポーターも務めてもらっています。